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2006年8月12日 (土)

最終陳述

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 現在、控訴審の準備を開始しました。刑事事件に関連したファイルは、PC上は1000以上ですが、メールのやりとり等まで含めると3000以上になると思います。いろいろと読み直してみました。その中で久しぶりに「最終陳述」が出てきました。

 掲示裁判では、審理の終了後に、以下のような流れになっていました。

論告求刑  検事側  2006年7月11日

最終弁論  弁護側 2006年9月8日

判決     裁判所 2006年11月30日

 「論告要旨」は55頁、全く同じ字数の用紙を用いた最終弁論「弁論要旨」が目次、図、略語解説までいれると317頁でした。この作成には、2ヶ月をかけたわけですが、特に最後の3日間は弁護士達も私もほとんど完全徹夜(私は平均睡眠時間1時間程度)でした。これに、一生懸命になっていたので、「最終陳述」を書く仕事が最後になり、最終弁論の当日朝7時4分に完成となりました。30分程度で書いたものです。最終弁論は何回も読み直しましたが、「最終陳述」は一年ぶりに読みました。

通常被告人の最終陳述といえば罪を認めていれば、

「大変申し訳ありませんでした。」

とか、無罪を主張しているなら

「私はやっていません。・・・」といったように簡単なもののようですが、

私の場合は複雑なものがあり、以下のように述べました。

 この陳述の後、メディアの方々が集まってこの「最終陳述」がかかれた書類を欲しいとの要望がありました。最終「弁論要旨」はメディアにも公開していましたが、「最終陳述」はこの時点では、諸々の理由で、発表はしませんでした。法廷での「話言葉」として作成したものなので、主語をわざと抜いたり「文書」としてはしっかりしたものではありませんが、そのままを引用します。

最終陳述

2005年9月8日

佐藤一樹

 患者さんが亡くなったことは大変悲しいことです。

特に今回のように、事故後に必要な検査を行うことも、可能な範囲での最良の治療もさせてもらえなかったことには、怒りも感じます。

しかしながら、その感情だけで終わらせてはいけません。

事故でなくなった場合は、その原因を正しく調べて、解明、分析して遺族に伝えるとともに、今後このようなことが起きないようにすることが、医師の務めであります。不誠実な態度で、患者さんの死を無駄にしてはいけません。

特に医学研究機関である大学病院においては、組織として原因の調査、解明、分析をしなくてはなりません。

医学はライフサイエンスです。

臨床における反省は、科学的におこなうべきであり、専門家が行うべきです。

しかしながら、東京女子医大が行ったことは、大学病院側の責任を逃れるためだけの内部報告書の作成、特定機能病院取り下げを回避するための裏工作、この事件を顧みずにおこなった報道による病院宣伝でした。

警察官や検察官の行ったことは、科学的、医学的、物理学的、工学的な背景、知識、論理展開のないものです。

判決にあたりましては、この事故の真相が明らかになるようお願い申しあげます。

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コメント

こんばんは
kazu先生

最終陳述の引用ありがとうございました。先生がマスコミにこの陳述をお渡しされなかったのは、恐らく、「どのように利用されるかわからない」といった不信感からであったのではないかと感じますし、共感できます。

陳述の中で
「臨床における反省は、科学的におこなうべきであり、専門家が行うべきです。」と述べられていますが、全くその通りと思います。理想的には、医療過誤を専門的に評価する部署が作られるべきであると考えますし、現状を打破するためには、法曹界に対して専門的な立場から意見を述べることのできる、臨床経験豊富で中立性の高い協力医が増えることが必要と考えます。

投稿: befu | 2006年8月12日 (土) 22時52分

befu先生コメント有難うございました。
「理想的には、医療過誤を専門的に評価する部署が作られるべきであると考えます。」とのご意見。確かにそのような部署があればよいと思いますが、加えて心臓外科なら心臓外科の現役医師によるチームが必要だと思います。たとえば、A県であった、医療事故か医療過誤かわからない症例に対しては、事故直後に管轄警察に連絡するのではなく、他県などの調査機関を事前に作っておいて、その機関がすぐにい調査にあたるといった体制を先に作っておくべきです。事故がおきてから、任意の医師を捜して意見を述べるのではシステムが確立しないと思います。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年8月14日 (月) 07時30分

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