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2006年8月22日 (火)

フジテレビ訴訟と準備書面提出の遅延

1. 本人訴訟裁判期日予定  

刑事事件では被告人の私は、民事では原告となっています。その民事裁判予定(本人訴訟のみ)は以下のようになっています。 傍聴マニアの人で是非傍聴したいという人は、どんどんいらしてください。 場合によっては、資料も御覧にいれます。 いずれも事件名は、損害賠償請求事件です。

平成18年(ワ)第5887号 被告 小学館 東京地方裁判所民事48部

平成18年(ワ)第5888号 被告 日本放送協会 東京地方裁判所民事50部

平成18年(ワ)第5889号 被告 フジテレビジョン 東京地方裁判所民事6部

次回期日

2006年8月22日 フジテレビジョン(弁論準備期日)

2006年8月29日 小学館  16時00分 東京地裁 611号法廷

2006年8月30日 日本放送協会13時20分 東京地裁 626号法廷

2. 準備書面と裁判準備期日

 なお、明日の弁論準備期日とは、法廷を使用しないで、当事者である原告、被告と裁判官が小さな部屋で、それぞれの主張の確認や裁判の進行について話しをするものです。

3. 準備書面提出の遅延  

明日の弁論準備期日は、前回、原告(佐藤)が提出した準備書面(裁判で陳述する内容を書いた書類。実際は陳述しないが、準備書面を提出して「陳述します。」といえば、裁判で陳述したことになる。)に対して被告(フジテレビ)が主張を陳述することになっています。  前回6月14日の弁論準備期日の話し合いでは、通常1ヶ月後のところを2ヶ月後の、8月14日までに、被告(フジテレビ代理人)からの準備書面が提出され、可能ならばこれに対して原告(佐藤)が意見を述べるという約束でした。しかし、今日8月21日になって自宅にファクシミリで送信されてきました。私は今日当直なので、急遽病院にもファクシミリを送ってもらうことになり現在通常医療業務が終了し、緊急患者がいない時間を利用して読んでいます。

4. 遅延行為を阻止するために  

「約束を守る」ことは、社会的常識から当たり前のことだとは思いますし、遅れることに関連した連絡や謝罪をすることは礼儀だと思いますが、その両方とも何もありませんでした。  法律事務所には、通常秘書さんもいて雑務は全てやってくれるはずです。こちらは、そのような雑務から書面書き、資料集め、証拠集めを当然私本人がひとりで行っています。  今後、このような裁判遅延行為とも思われる、いい加減なことを被告らがしないように、このブログでも民事の経過も発表しようと思っています。

2006年8月22日 小学館訴訟裁判期日 8月29日の被告代理人が約束した準備書面提出日

2006年8月23日 日本放送協会訴訟裁判期日 8月30日の被告代理人が約束した準備書面提出日

5. 名誉毀損報道の予測と録画  

多くの、民事訴訟の対象は、判決以前の報道に対するものですが、フジテレビだけは判決後の放送に対するものです。  私は、過去の「自分がおそらく名誉を毀損されたであろうテレビ放送の録画」を手にいれることが困難であることを痛感していました。 この結果達した結論は、「自分の名誉を毀損したり肖像権を侵害したりする放送はその放送日時を事前に予測して録画するしかない。」というものでした。  そこで、絶対無罪の自信があった刑事訴訟において、判決が言い渡された直後から次の日の朝までのニュース放送を、6人の友人達に頼んで録画してもらうこととしました。A君はNHK総合, B君はNHK BS, C君は日本テレビ、D君はTBS、E君はフジテレビ、F君はテレビ朝日。雑誌で2005年11月30日から12月1日のテレビ放送予定をコピーして、各放送局のニュース番組を赤で囲って6人に配りました。

6. 無罪判決直後の各局報道とフジテレビ提訴  

私の無罪に関する放送をしなかった局はありませんでした。この中で、放送内容に最も好感がもてる報道はNHKでした。私が記者会見で話をしている場面を映像と音声で一番長く放送し、私のコメントをまとめて伝達しています。  他の局はものたらない放送が多く、「ペルー人の誘拐事件」と「琴欧州の大関昇進」、「愛子さまの映像」の放送時間に時間をとられた関係もあるのかと思いました。  ところが、フジテレビの放送は明らかに「名誉を毀損し、肖像権を侵害する」放送でしたので、即刻提訴の準備を始めました。

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「本人訴訟」カテゴリの記事

コメント

佐藤先生へ
このブログを読んで、多少疑問に思っていることを書きます。小生、元、心臓外科医です。今は循環器内科医です。先生のブログを読みますと、女子医大の幹部がかなり、ひどい事を先生に対して行ったことがよくわかります。しかし、この事件?の本質がよくわかりません。なぜ、ASDの手術時に空気が動脈内に入ってしまったのか、その原因の元が①女子医大の体制にあったのか②佐藤先生の人工心肺操作にあったのかが一番問題だと思います(その中間もあるかもしれませんが)。ここがわからないと先生を応援したくても、応援できません。もし、先生がもっと応援を増やしたいのでしたら(応援ではなくて共感の方が正しいかもしれませんが)、一度、この辺りを、心臓外科医だけではなくて、一般の医師にもわかるようにしていただけませんか。簡単になんて無理だと言われれば、仕方ありませんが。また、もとより、医療行為から発生した事態を警察、検察が調べることには小生、大反対しており、その点では先生を心から応援しております。また、マスコミの対応についても、先生とスタンスは一緒だと思っています。しかし、こころに引っかかるのはやはり上記の疑問が晴れないからです。ご健勝を祈っております。

投稿: oosaka | 2006年8月22日 (火) 23時24分

「空気が動脈内に入ってしまったのか、その原因の元が①女子医大の体制にあったのか②佐藤先生の人工心肺操作にあったのかが一番問題だと思います。」
とのご質問ですが、「空気が動脈」に混入することは一回もありませんでした。静脈側に混入はしました。確かに私のブログを読み直しても何が起きたかがわからないかもしれません。

「陰圧吸引脱血法」を使用中に、陰圧をかけるチューブの途中に挿入していたフィルターが完全に閉塞してしまったのです。フィルターが閉塞してしまうと、陰圧をかけるレギュレータが正常でも全く役にたたなくなり陽圧化してしまいます。リザーバーが閉鎖空間となってしまったところ、吸引ポンプの回転が何回転であろうと、回っていれば、直ぐに陽圧化してしまうので、落差による重力分や中心静脈圧分を越えた陽圧になると、脱血管の中に空気がはいって、逆流します。
 ここで、術野では、パーシャルバイパスにして吸引回しとして対処すればよいところ、下大静脈のみをパーシャルバイパスにしてしまったのです。(それとは別にもともと上大静脈へのカニュレーションの方向がおかしかったこともあります)そのため、上半身のみが高度にうっ血してしまい脳障害が出現しました。
 以上は、死亡原因の一部であり全てではないと思われますが、起こった現象としては上記の様な説明になります。
 フィルターの設置については、ブログの公開質問状や三学会報告書を御覧ください。http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/cat3890233/index.html
 女子医大では、一回限り使用の純正サクションフィルターを使用せずに、薬事法適応外の別の用途に使用するガフフィルターを再利用して何回も繰り返し使用していたため、閉塞してしまいました。このフィルターは、人工心肺回路を作成した元助手(医学博士と工学博士のダブルライセンス取得されていた。現在はある学校の教授)は設置していなかったところ、別の元臨床工学士長がよかれと思って、フィルターを設置してしまったのです。(その当時から薬事法適応外の別の用途に使用するガフフィルターを再利用して何回も繰り返し使用。)
 使用していた回路は、軽症例を行う時のみ使用されていたので、人工心肺時間が2時間以上にもなることはなかったのですが、本症例では、いろいろ問題のある術式と手技で、長時間の体外循環時間となったことが一つの要因です。このフィルターは、3学会の実験では、新品を用いても3時間5分くらいで閉塞することがわかりました。
 可能であれば、使用された人工心肺の回路図をブログか将来執筆する本に掲載しようと思います。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年8月23日 (水) 11時43分

oosaka先生コメントありがとうございました。
「空気が動脈内に入ってしまった」という情報のソースがおわかりでしたら、御連絡ください。報道機関であれば、今後調査したいと思います。勿論、その内容はデマです。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年8月23日 (水) 11時45分

昔の先生から「心研は心電図をとるときも一回○×cm以上は使わないように指導された」と伺ったことがあります。普通はこのような「ケチケチ使用」は診断が困難になるばかりか事故につながるおそれがあるため、なるべく長めにとるのが一般的(勿論、意味無く長めにとるのはいけませんが)だと認識しておりますが、このような話は本当なのでしょうか?もし本当ならフィルターの再使用の話を聞いて、女子医大の心研は本質的に医療に対する理解が出来ていないのでは、と疑問を持たざるを得ません。

投稿: やまちゃん | 2006年8月23日 (水) 12時32分

やまちゃん先生 コメント有難うございました。心研全体がケチケチが今回の事故の間接的原因になったのではないかという主旨のコメントだと思います。心研全体にそのような体質はなかったと思います。今回のフィルターの関連とどのようにつながるかはわかりませんが、フィルターを導入された方は所謂古い世代の方で、勤続が20年以上あったと思います。(正確な年数の確認はしていません。)

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年8月23日 (水) 12時41分

佐藤先生
動脈内空気のこと、当方の勘違いです。申し訳ありません。動脈と静脈を間違えてしまいました。なお、ご説明よくわかりました。その上で、質問させてください。「ここで、術野では、パーシャルバイパスにして吸引回しとして対処すればよいところ、下大静脈のみをパーシャルバイパスにしてしまったのです。(それとは別にもともと上大静脈へのカニュレーションの方向がおかしかったこともあります)そのため、上半身のみが高度にうっ血してしまい脳障害が出現しました。」とありますが、その事は術者に先生からは伝えられなかったのでしょうか?または、伝えたにしても、聞き入られなかったのでしょうか?当方、昔、ASDの術者をしたことがありますが、吸引脱血で手術をしたことがなく、知識が古いのでしょうか?勝手な質問ばかりして、申し訳ありません。また、右房があいた状態なら、SVCをパーシャルバイパスにしたら、脱血回路内は空気で満たされるのではないでしょうか?どの状態(右房があいた状態か?)で脱血不良が生じたのでしょうか?
勝手な質問ばかりで申し訳ありません。元心臓外科医としては、今回の事件は最初からとても気になっています。心臓外科医をやめたのも、現在の外科医に対する世間の反応、態度、警察検察との関係、マスコミの態度等々に辟易したからです。若くてやる気のある心臓外科医を、スポイルしてしまうのが現状だと思っています。

投稿: oosaka | 2006年8月23日 (水) 21時29分

oosaka先生
ご指摘の質問は私の説明不足で疑問を呈されるのもごもっともだと思います。
前提として、刑事裁判は『真実が何か』を求めていません。「『検察官が起訴した控訴事実が疑いの余地のないものか。』を審理して、疑いの余地がなければ有罪、そうでなければ無罪になる」ということがあります。裁判官の仕事は誰に罪があるかを見つけることではないのです。これがポイントです。

 SVCの脱血管の位置がおかしいのではないかということを私は人工心肺開始当初から何回か術野に連絡しました。これは、複数の証人の公判でも各関係者調書でも確認されています。最初落差脱血でSVCのみで人工心肺側の脱血管を全開にしてもハーフフローで液面がなんとか維持できる程度だったので、術野と連絡をとって、5分以上やりとりしていたことが、証拠となっている人工心肺チャートに記録されています。
 胸骨部分切開で必要もないのにわざわざ直接SVCにカニュレーション(通常MICSなら経右心耳)。ライトアングルのコイルが入っていないタイプの脱血管で太さもぎりぎり。(体重があと500g大きかったら一つ上のサイズを使用するプロトコールになっていた)しかし、術野でカニュレーションは問題ないとのこと。脱血管は皮膚に固定されてしまったので、その後の心内操作中は、心臓を牽引すると相対的に脱血管の位置が変化して脱血が悪くなる状況だったと思います。トータルバイパスにしても液面の上昇はあまりないが、やはり術野は問題ないとのこと。液面の上昇は軽度だったので、結局吸引脱血を併用しました。
 その後心内操作中に、何回か(裁判上は最低でも2回)脱血が悪くなり、術野と連絡をとって、手技を中止し、パーシャルバイパスにして、(調書上パーシャルにしたのはIVCのみということがS講師を含めて複数の術野医師が証言)脱血管の固定をはずし、ターニケットもはずして位置を修正して、また固定しなおしたりしています。この時に、脱血管に空気が混入して下(人工心肺側に)流れていくのを複数の術野の医師、看護婦何人もの人が見ています。脱血管が浅くなれば側孔から空気が混入することもありえます。公判では、S講師は、「SVCの脱血管の先端のさらに先を親指と人差し指で完全にSVC閉塞できるかどうか確認したので、カニュレーションは正しかった。」などといっています。そんなカニュレーションの確認方法があり得るでしょうか。SVCの右房接合部から心膜翻転部までの距離は通常1cmライトアングルの先端は3cm大人親指が約2cm 洞結節を避けるためなるべく右房から離れた挿入、胸骨第2肋間までの部分切開。この条件を考えると、S講師の証言はまず虚偽でしょう。完全にSVCを閉塞できたのなら、「浅すぎた」か「奇静脈の方向」だった可能性が高いと言えます。(そもそもその時の証言は、IVCの脱血管が肝静脈に入ったという懸念で頭がいっぱいでSVCの方を修正したという証言はありませんでした。)
 あまりに何回も私が術野に脱血が悪いと繰り返すので、IVCのみをパーシャルにしたまま手技を進めた疑いが残っています。空気の混入は最初は術野から脱血管に入っていったことは、間違えないとおもいます。その場面は特に三尖弁逆流試験の最中で、パーシャルにしながら、前立ち側からその状況がよく見えるように、心臓を大きく牽引しながら右房内を空っぽにするように吸引を使用したので、術野からも空気が混入。脱血管は皮膚に固定されていたので、心臓を牽引すると位置が変化していたのでしょう。ご存じの通り、MICS(胸骨部分切開)でなくとも、SVCに直接カニュレーションすると奇静脈の方に先端がいく可能性がありますが、それに近いことが起きていたのだと思います。
 公判でも、私が提出した陳述書でも、最終弁論でも、「脱血管の位置のこと」や「SVCをパーシャルバイパスにしなかったこと」は、上半身の所見が強いのに、肝臓腫大や腹部、下半身の所見がまったくなかったこともふくめて、散々説明しています。裁判官は、私の主張に対して明確な態度を示していません。肯定もしないが否定はしていません。ただし、ことに「上大静脈の脱血が悪かった」ことは判決にも記載しています。
 冒頭に書いたように裁判官の仕事は、「検察官が起訴した控訴事実が疑いの余地のないものか。」を審理して判決を出すことです。仮に、上記のような私の主張を一切認めないとしても、「『フィルターが閉塞して脱血管に空気が逆流したことによって脳障害が発生したこと』は間違えない。そのフィルターの閉塞は佐藤の責任ではない。だから無罪。」となったのです。裁判官の仕事は誰に罪があるかを見つけることではないのです。
 検察官が控訴審で私を有罪にしようとするのなら、このような大きな山がいくつもあることになります。一審では、そういった山は全て詳細を語らなくても、医療関係者でなくても一番わかりやすい「フィルターの閉塞」の部分で説明して、それは人工心肺操作者の責任ではないということになったのです。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年8月24日 (木) 14時33分

佐藤先生、はじめまして。
米国留学中の小児科医です。

この事件についてはテレビの報道などでしか知りませんでしたが、
当時あの報道の仕方では、人工心肺を回していた先生があたかも悪者になっていましたね。

このブログにたどり着いても、なかなかなにがおこったのかわからなかったのですが、このコメントで私にも理解できました。

手術の経過、起訴の理由などどこかにまとめていただけたら、来訪者ももっとわかりやすいかと思うのですがいかがでしょうか?

かげながら応援しております。
がんばってください。

投稿: pyonkichi | 2006年8月25日 (金) 18時04分

pyonkichi先生コメントありがとうございました。手術経過については、どこかで、詳細なまとめを作成してブログに記載しなくてはならないと思っていました。本当はそれがメインの書き込みになるはずです。
今回のコメントの文章は、ほとんど練れていないので、医師や手術室関係者には理解できても、一般の方には何がなんだかわからない可能性もあります。
 どうしても図表を使用しないとわからないこともありますので、一審の最終弁論の引用や図のコピーなども必要かと思います。
最終弁論は飽くまで裁判用ですが、法廷で使用されたものですから、公開されたものです。これを軸にブログ用の「手術経過」をまとめられたらと思っています。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年8月25日 (金) 19時17分

準備書面を約束より遅らせるのは訴訟の常套手段のようです。弁護士の駆け引きの一部だと理解しております。

投稿: 通りがかり | 2006年9月 8日 (金) 01時14分

通りがかり様コメント有難うございます。全く素人の本人訴訟なので、事務的に分からないことも多くあります。御教示いただけることがありましたら宜しくお願いいたします。
なお、他の本人訴訟の小学館とNHKは1-2日のずれはありましたが、期限通りに準備書面をいただきました。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年9月 8日 (金) 09時58分

佐藤先生
以前のブログでe-mailを監視されていた事を記していましたが、そんな事が可能なのでしょうか、技術的には可能でも警察がそれをやることは法律的に正しいのでしょうか?
 それともう一つ、多分、先生のブログをご遺族の方も見ていることと思います。先生とご遺族との関係は当方には不明ですが、多少とも、ご遺族への配慮がなされると良いと思います。私も昔、心臓外科医で、3学会報告、先生のご回答を読み、なぜ、この不幸なできごとが生じたか、そして、なぜ、先生が不当逮捕されたか良くわかりました。しかし、これが、現在の医療事故後の対応で一番困った事なのですが、ご遺族は全く分からないと思います。直接、話すことは無理でしょうから、ブログで多少ともご理解いただけるような事が出来れば、こういう事件の別な解決方法になると思います。(裁判は別物です。医師と患者さんとの間の解決と言う意味です。)先生の活躍を祈っております。

投稿: oosaka | 2006年9月 9日 (土) 00時47分

oosaka先生コメント有難うございました。
 コメントの後半は、ご遺族に対する配慮を明確にすべきだという御教示だと思います。
改めてブログを振り返ると、積極的な配慮には欠けていたかもしれません。

 今回の大野病院事件に対して、女子医大事件のご遺族のコメントが2006年3月23日の日本経済新聞43面社会欄に掲載されていますので抜粋します。
「心臓手術の事故で小学六年の娘を亡くしたG県の●●●●さんは『医療事故の原因は複雑。個人責任を追わないのでは』と指摘し、『被害者がまず求めるのは何が起きたのかという真相解明。国は警察以外で医療事故を調査する第三者機関を早急に設置してほしい』と訴えている。」

 このコメントは、私が無罪判決後に記者会見で主題とした内容と一致しています。(私のブログ7月13日「新聞各社の無罪報道比較」を参照してください。)http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/cat3890463/index.html
この遺族のコメントは、「警察の医療事故調査」は当てにならないから善後策として第三者機関を設置すべきである。」という極めて建設的で立派な意見だと思います。このような考え方に至ったということは、「女子医大事件において、『内部報告書』を作成した女子医大と女子医大が積極的に捜査協力した警察の出した結論は信用がおけない」という判断があったと、私は解釈しています。私のブログ9月4日「遠藤直哉弁護士「医療への刑事罰の限界を論ずる」http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/cat3890431/index.htmlに記載されているように、公にも女子医大と警察が手を組んでいたことは知られています。「・・・東京女子医科大学病院においては、NHKによって内部の状況が報道されたところ、警察に早期に多くの情報を提供している事が放映され、筆者としては驚きを隠せなかった。病院の側で医療過誤を防止し、情報を公開しようとすることについては大いに評価出来るが、それは警察へ通報することではない。警察へ通報することは刑事事件の端緒や告発になるのであり、むしろするべき事ではないのである。東京女子医大が、改善を急ぐあまり、日本における刑事裁判のありかたを認識しないままに行動したとすれば、極めて問題であるといわなければならない。・・・」
ご遺族は警察に告訴していたわけですから、女子医大と警察の関係をある程度ご存じだったと思います。

 ご遺族は、長い間「壁」を打ち破ることが難しい立場だったと思います。すなわち、
・佐藤が主犯だという匿名の告発文
・東間院長作成の「内部報告書」
この二つによって完全に「壁」が作られてしまいました。裁判の経過から徐々にこれらが虚偽であることを理論的にはご理解いただいたいると思いますが、判決直後は、まだ、認知的不協和が残存していた状態だったと思います。
 判決直後は、理論的には、女子医大の東間院長が作成した「内部報告書」は誤っていることが、学会でも裁判でも明らかになった。そうなると誰かの過失によって事故死したという責任の所在が無くなる。実際には女子医大のフィルターの扱いに関する責任の追及をすることができるはずであるが、女子医大は刑事告訴直後に示談金をいい値で支払ってくれたので、これ以上責任を追及できない。そうなると、やはり佐藤の責任を追及すべきだというような考え方になっていたのではないでしょうか。(勿論私の想像ですが。)
このような難しい立場から脱却して、日経に対するコメントがなされたのだと解釈しております。
 ご遺族は、医療関係者でもあり、三学会の報告を読んだり、このブログを読み、何があったのかをご理解いただいたいると思います。東間院長や笠貫元所長や黒澤教授は一見物腰が柔らかい「良い人」に感じ方もしれませんが、「女子医大幹部不正事件」の存在をしっかり把握していただきたく存じあげます。

前半部分の「E-mailを監視されていた事」についてですが、警察が届け出た事件については法律的に問題ありませんが、届けでなければ違法です。
私と術野にいたM医師との間のメールの内容について、夜間にメールを出した翌朝、手術室に入る前の忙しい時間に警察からM医師に連絡があり、その内容は正しく我々当事者にしか知り得ない内容でした。M医師が警察に「何でAさん(刑事の名前)がメールの内容を知っているんですか。」と詰め寄ったところ、「警察だからね。」と答えたそうです。その他、女子医大内のスタッフとの間の電話やメールは状況証拠として明らかに盗聴されていました。これについては著書で書こうと思っています。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年9月 9日 (土) 13時58分

モトケンさんのブログからやってきた者です。
手術経過については、マスコミ報道程度(陽圧式と陰圧式の装置を間違えて云々といったもの)しか知らず、この記事内のコメントでようやく全体像がつかめました。
先生のHNの由来もここに来て初めて知りました(涙)。
若松河田の病院は、私の専門領域においてもビッグネームなわけですが、上層部の行状に驚いています。巨大な組織の宿痾でしょうか。
先生が執筆準備されている本は、日本の高度医療の最前線が抱える数多の構造的問題を白日の下にさらすものと期待しています。
何の助けにもならないけれど応援しています。お忙しいでしょうから本コメントに対するレスは不要です。

投稿: 腎臓内科医 | 2006年9月15日 (金) 23時08分

腎臓内科医先生コメント有難うございました。「執筆準備されている本は、日本の高度医療の最前線が抱える数多の構造的問題を白日の下にさらすもの」と成り得ればと思っております。東間元病院長がビッグネームなのかどうかは知りませんが、私が見てきた彼は、中心静脈圧や基本的な物理学も知らないpoorな人間でした。応援有難うございます。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年9月15日 (金) 23時54分

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