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2006年10月14日 (土)

拘置所の出所場面の放送と嬉しかったこと

1.無罪判決直後の放送

 私が提訴している民事訴訟のほとんどは、逮捕直後の名誉毀損に関するものです。ひとつだけ、判決後のものがあります。フジテレビが相手です。

 フジテレビは、判決当日に、「佐藤は最初、罪を認めて謝罪したが、裁判では一転して無罪を主張した。」という真実ではないことを放送したり、「危険回避義務をおこった」とか「未熟な医師」とか現役の医師の私を「元医師」などと放送したりしました。また、無罪判決放送時に、私が小菅の東京拘置所を出所する場面を何回も使用したので、名誉毀損の上に、肖像権侵害であることも主張しています。

2.お褒めの言葉

 その裁判(弁論準備期日)が10月3日にありました。弁論準備期日とは、普通の家庭にある食卓よりやや大きいくらいのテーブルを囲んで、裁判官(2人)原告の私と被告代理人(2人)の計5人が膝をつきあわせるようにして、お互いの主張を「準備書面」に書いて主張しあう等する裁判の形態をいいます。(テーブルの脇にはフジテレビの社員も1人いました。)

 法廷よりもザックバランな雰囲気で、「会話」します。今回は私が書いた「準備書面(2)」とともに、「刑事事件無罪判決文」を証拠として提出しました。裁判長は実直な感じの方です。

 無罪判決文には、私の主任弁護士さんの名前が記載されています。法曹界では知らない人がいないスペシャリストで、名誉毀損裁判でも日本の歴史を作ってきた人です。

裁判長  「刑事事件はK弁護人が担当のようですね。」

佐藤   「はいそうです。」

裁判長  「この訴訟でもお世話になっているのですか。」

佐藤   「いいえ。フジテレビではお世話になっていないです。」

裁判長  法曹界の人間でもなかなか書けないような立派な準備書面を提出されているので・・・。コメントでもいただいているのですか。」

(左陪席と被告代理人が二人とも頷いている。)

佐藤   K先生には、コメントもいただいてないです。」

3.本人訴訟と実用文

 これは、嬉しかった。

 人に文章を褒められたのは久しぶりだった。学会の発表では、発表の題目や論文内容については評価されたことはあったが、文章そのものを褒めてくれる人はいなかった。小学校3年生の時に日本全国カトリック教会主催の作文コンクールで入選したときや、大学生の時に湾岸戦争に関して書いた「ヒューマニズムの原点に返れ」という投書が全国紙に掲載されたとき以上に嬉しかった。

 

 名誉毀損の提訴を決意して、K先生ともう1人の先生には各社をお願いしましたが、都合でNHK, フジテレビ、小学館は本人訴訟をすることになりました。自分で、弁護士さんや法律事務所の秘書さんがやる仕事をしなくてはなりません。

 刑事事件の書類作成過程で、K先生の文章を読んで、いつも「素晴らしい文章の書き手」だと思っていました。私も刑事事件に関する「陳述書」の作成などで文章を沢山書いてきましたが、先生の足元にも及ばず、いつもその差に愕然としていました。そのころから、「実用文について研究」する必要性を感じていたので「文章法」「文章読本」「文章の書き方」関連の本を40冊ほど読んできました。名誉毀損の本人訴訟を提訴するに当たっても相当数の関連書籍や判例を、素人なりに勉強してきました。「法曹界の人間でもなかなか書けない立派な準備書面」と評価されたことは、「訴訟を有利に進めている」という意味も含まれるとは思いますが、勉強の成果が上がっていると考えてもよいでしょう。(こういって、勝訴しなければ恥ずかしいことになりますが。)

「名誉毀損の本人訴訟」のための勉強には、幾つかの分野の書籍をそれぞれ何冊か読んできましたが、その分野とは、

①実用文一般の勉強

②裁判手続きの勉強

③本人訴訟の勉強

④名誉毀損の勉強

⑤名誉毀損裁判判例の勉強

⑥報道被害の勉強

⑦実際の準備書面作成の勉強

等があると思います。機会を改めて書籍の紹介をしようと思います。

 

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「本人訴訟」カテゴリの記事

コメント

弁護士顔負けの準備書面なんて、すごいですね。
本人訴訟は手続き面でも難しいことが多いと思いますが、頑張ってください。

投稿: とおりすがり | 2006年10月15日 (日) 02時24分

とおりすがりさんコメント有難うございます。本人訴訟の他にもスペシャリストの弁護士さんといっしょにやっている訴訟が今のところ7あります。その全てで、弁護士さんの書いた準備書面を読んでいますので、参考にさせたいただいています。ただし、フジテレビは唯一判決後の放送内容についてを対象にしていますので、サンプルがありません。自分でいろいろ工夫して書いています。独りよがりにならないように、書いたものを提出する前にコメントをいただける第三者に読んでいただくようにしています。なんとか恥ずかしくないものが書けているようです。
応援有難うございました。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年10月16日 (月) 06時39分

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