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2006年12月 7日 (木)

内部報告書と社会保障審議会

1.事例の御教示 

 病院や企業内で事故があったときに、内部で報告書を作成してもそれが、「病院や企業を守ろうとするために文書にすぎない」ことが多々 あるということだと思います。このブログでも何かよい判例や事例がないか皆さんにお尋ねしたろころ、m3 com.の方に事例を御教示いただきました。 

2.女子医大内部報告書は私の逮捕前から信用されていない

 2002年2月28日の第3回社会保障審議会「医療分科会」議事録 議題 「東京女子医科大学病院の完全管理の確保状況等について」が私の手元にあります。「鴨下重彦、木村静子、桜井秀也、猿田亨男、全田浩、福島龍郎、水野肇、三宅祥三、山浦晶(以上敬称略)」の委員からな り、女子医大側からも出席者がいて事実関係(真実ではない)を発言しています。内容は調査報告書に依拠しているので、誤っています。この8頁にこのようなやりとりがあります。

前提:

 調査報告者は学内第三者が内部調査が行ったこと、特に心研外の人が行ったと女子医大側から説明されていました。しかしこの場では指摘されていませんが、実は心研循環器内科楠元教授がメンバーでした。楠元教授は主任教授ではありませんが、いわゆる「平教授」だったのです。循環器小児外科を目の敵にしていた笠貫教授が空席になっていた心臓血管外科教授選の利害関係に関連して楠元教授採用されたと予想される。

以下 議事録 8頁からの抜粋

(委員)

「より詳細な調査を学内第三者が行うことを決定 した」とありますが、「学内第三者」というのはどういう意味ですか。私が聞きたいのは、心研にいなければ学内第三者だとう解釈なのかどうかです。」

(女子医大)

「そのつもりで書きました。 」

(委員)

「それを第三者と言いますか。メンバーを見ると、私どもの知っている先生もだいぶいらっしゃいますので、女子医大の中の方だと思うのですがね。こういうのを学内でや っても国民はあまり信用しないちうことを私は言いたいのです。」

 このご意見も当たり前のことだと思います。 しかも、「心研にいない」というのも嘘ですから、酷いものです。第三者とは、「女子医大幹部および笠貫教授にとって不都合な人間以外の人という意味が正しい解釈でしょう。

 講談社訴訟の裁判官にはこのような当たり前の感覚がなかったということです。

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「東京女子医大 幹部不正事件」カテゴリの記事

コメント

kazu先生
>循環器小児外科を目の敵にしていた笠貫教授が空席になっていた心臓血管外科教授選の利害関係に関連して楠元教授採用されたと予想される。

 この文章の意味が分かりません。もう少し学外者にも分かるように補足していただけますか。

投稿: 地方の弁護士 | 2006年12月 8日 (金) 14時32分

地方の弁護士コメント有難うございました。
 本件事件の調査委員会は笠貫宏現循環器内科主任教授(当時心研所長)からの要請による委員会でした。
 本来であれば、事故は循環器小児外科学教室において発生したものですから、遺族からの死因の調査、説明の対応については、循環器小児外科主任教授が行うのが当然です。委員会発足当時、循環器小児外科教授は赴任者が存在していませんでした。本件調査委員会が発足されたころに、大学側は、「循環器小児外科」と「循環器外科」を統合して「心臓血管外科講座」を新設することとしました。前教授時代には、女子医大の看板であった循環器小児外科は、日本一の症例数と成績を誇っていましたが、小児高度医療の常で、収益としては赤字でした。経営上は、日本唯一の「循環器小児外科講座」を潰して、「循環器(成人)外科講座」と統合して、「心臓血管外科講座」を作り小児外科を抑制しようとしていました。
 新しい「心臓血管外科」の候補は3人で、1人が「小児外科」系で、二人が「(成人)外科」系でした。笠貫教授は「(成人)内科」なので、外科教授はやはり「(成人)外科」系の1人の候補を推していました。教授選をわざと夏休みに仕込んで、自分の都合のよい結果になるようにした上に、もう1人の候補の「論文実績」にある細工をして得点を少なく判定するなど、酷いことをしたそうです。
 この事件の調査報告も自分の都合がよいように、循環器小児外科が悪役になるような方向にもって行きたかったのです。循環器小児外科教授は赴任者が存在していないのですから、笠貫教授、自らが委員長または、委員を務めるべきですしかし、委員会の存在自体を前循環器小児外科教授にはまったく説明せずに発足させさらに自分の手を染めないよに、「治療経過報告書」を自ら作成し調査委員会に提出したのです。前教授には委員会の存在や報告書も内密に作成したのです。(報告書は私やS医師他循環器小児外科にも内密に作成されました)
 笠貫教授は医療訴訟をちょっと勉強した人なら知っている「千葉大採血時空気誤挿入」事件の関係者で、その件に関連して千葉大を去り女子医大に入った医師です。したがって、医療訴訟に関しては、医師会で講習を行うほど詳しく勉強しています。そこで自分の手は染めずに、部下である循環器内科(平)教授を調査委員会に送り込んだものと思われます。
「調査報告書」には、「循環器小児外科は、一般にコメディカルの職員に対し、高飛車で、人工心肺についても技士たちを信じず、操作を技士に任せようとしなかったと言われている。」と記述されています。この「高飛車」という文言は当時の循環器小児外科主任教授と確執があったある科の教授が、述べた意見であることが裁判の証拠でわかっています。実際は、臨床工学士の人数が不足しているため技士が循環器小児外科の人工心肺の操作をすることは不可能であった上、教授の方針として医師が担当していたのです。また、技術的に当時の技師が循環器小児外科の人工心肺操作を円滑に出来ない可能性が強かったのです。現に、黒澤教授が就任後、「本件でフィルターを交換しなかったとS講師に責められた技士」に操作を担当させましたが、技術的に問題があり解任されました。循環器小児外科の人工心肺操作を担当させるために、当時の人工心肺責任者の医師の指導を受けましたが、能力的に円滑な操作が出来なかったために、担当を解任され、変わって他の施設から来た技士が担当することになったのです。
 このように、患者さんに対してあるいは理事長に対して循環器小児外科系の批判を不当に行っていたのです。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年12月 9日 (土) 02時44分

勤務医先生コメント有難うございます。
 メディア側の挙証責任について指摘されるところはさすがですね。法曹界の方で、何の詳細な情報を持っていないのに、「相当性の存在」を肯定されるブログを書かれている方がいましたが、随分乱暴な意見だと思います。裁判はもっと精密な論理の闘いの場であるはずだと思います。講談社は、私や専門家に対する取材の証拠を提出していません。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年12月 9日 (土) 02時52分

kazu先生
 詳しいご説明ありがとうございます。「循環器小児外科教授は赴任者が存在していませんでした。」とありますが,今井先生は,それまで循環器小児外科をご担当だった全教授ということですね。

 インターネットの判例集を当たっても,先生の無罪判決が出てきません。先生自らこのブログの掲載することは御願いできませんか。私は,調査委豊北書を認めず,機会に不具合があって,被告人にそれを予見することは不可能だったというテレビで流れた判旨しか分からないものですから,是非全文読んでみたいのです。

投稿: 地方の弁護士 | 2006年12月 9日 (土) 12時29分

地方の弁護士先生コメント有難うございました。
 判決は、法律関係の専門書に掲載されています。霞ヶ関の弁護士会館の地下の書店や東京地裁の地下の書店で販売しています。書名については私のフリーメールアドレスに御連絡いただければ、お教えいたします。
 判決をデジタル化して公にすると、使い回す人が出てくる恐れがありますので、現時点では書籍の方でお願いいたします。
 なお、先生もご存じのように、刑事訴訟の目的は真実を追究するものではありません。裁判官は、弁護側の主張している事実認定については、難しいところははしょって、さておき、といった扱いにして、それでもこの部分、つまり報告書の言っていること(検察がいっていること)は誤っているので無罪という判断をしています。 なお、起訴の時点で、調査報告書に依拠していた検察官ですら、公判途中で、「調査報告書の内容は誤りである」と気づいて「訴因変更」をしています。こういったことは、メディアは絶対に報道しません。検察官が「起訴事実」は誤っていたので、「訴因変更」してきましたが、根本が誤りなので、当然いい加減な内容になっています。
 先生は検察官が「訴因変更」して有罪になった判例をご存じですか?

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年12月 9日 (土) 14時50分

kazu先生
 レスが遅くなりました。法律雑誌は,ほぼ購入しておりますので,雑誌名と号数を教えていただけば幸いです。
 なるほど,検察も途中で「調査報告書」に乗ると泥船だと気付いたのですね。そうだとすれば,自ら無罪の論告をしても良さそうなものです。検察の唯一とも言える遊座院切り札だったのでですからね。

 訴因変更で有罪になった事例は,私の担当した例はないですが,判決では結構あります。調べてみたら,特に業過事件は多いようです。ご存じかもしれませんが,東京地裁平成16年5月14日判決では,医療過誤事件で変更後の訴因で,医師2名が執行猶予付きの有罪判決を受けていました。業務上過失というのは,開かれた構成要件なので,何を過失とするかは非常に難しいので比較的公判の心理に応じて訴因変更が行われるようです。
 

投稿: 地方の弁護士 | 2006年12月13日 (水) 16時20分

地方の弁護士先生コメントありがとうございました。
 判例まで御教示いただき深謝いたします。
私の判決は雑誌ではまだ読んでいません。ハードカバーの専門書で、「刑事医療過誤 II」という題名だったと記憶しています。
 検察は「泥舟」が溶け出したため、「調査報告書」では促進因子としか扱われていなかった「フィルターの閉塞」が被告人(私)の責任であると方向転換しました。女子医大側は、このガスフィルターは、人工心肺に使用するここと薬事法違反であり、しかもしっかりと「一回限りの使用」とパッケージに書いてあるにもかかわらず、技士が繰り返し使用したため閉塞してしまったという認識があるため、前面に出せなかったのです。
ところが、フィルターはどう調べても薬事法違反。実は警察はフィルターを取り扱う会社を当然のように調べて調書を作成しましたが、公判では、証拠として提出してきませんでした。何故証拠として提出するのをやめたことがわかったと不思議におもわれるでしょう。これが、警察検察の甘いところで、「フィルターの調書の存在」が記載してある別の調書を証拠として提出してきたからです。フィルターの調書は存在しているのに、証拠としなかったのは当然不利なことが書かれているからです。弁護側は公判開始直後からフィルターを扱う会社に事情聴取して、弁護側の証拠として提出しています。初期の段階から、フィルターの使用が薬事法違反であることを主張していたのです。
 ちなみにフィルターが閉塞する機序につきましては、メーカートップの「P」という会社の内部文書まで手にいれて研究しました。工学レベルの物理学の式が出てきましたが、日本の人工心肺の専門書でここまで書かれているものはありませんでした。英国の人工心肺の教科書はさすがで、この物理式が説明されていました。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2006年12月19日 (火) 02時16分

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