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2007年7月31日 (火)

勝訴 対 週刊女性 「主婦と生活社」 第一報

週刊女性「主婦と生活社」に勝訴いたしました。

 名誉毀損裁判の損害賠償では、以前に医師に対して2000万円弱の支払いを命じた判決もあり、清原選手に対して1000万円の支払いを命じた判決もありましたが、損害額55万円(うち5万円が弁護士費用)の支払いを命じる内容でした(訴訟費用は20分の1が被告負担で、後は原告負担です)。
 金額的には満足しがたいものですが、とりあえずは勝訴第1号です。

金額が低い理由としては、

①原告が実際に逮捕されるなどして、原告が本件手術の際にミスを犯したとの疑いが社会全体に広く報道されており、その限りにおいて、医師としての原告の社会的評価は既に相当程度低下していた

②紙面上では直接原告の氏名は明らかにされていない

等の理由をあげています。

 だからといって、①で先行して、②実名を挙げて記事にした他のメディアに対する損害賠償請求を保障してくれるわけではありません。①の法理が成立するのかどうかは、素人判断ではわかりませんが、報道被害者としては納得いきません。

以下に、メディアでどう報じられたかをコピーします。


Asahi.com

東京女子医大事件で「週刊女性」に賠償命令 東京地裁

2007年07月30日18時52分

東京女子医大病院(東京都新宿区)で01年、心臓手術を受けた当時12歳の女児が医療ミスで死亡したとされる事件で、業務上過失致死罪に問われた元病院医師の佐藤一樹被告(43)=一審で無罪、検察側が控訴=が「週刊女性」の記事で名誉を傷つけられたとして1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。石井忠雄裁判長は名誉棄損を認め、発行元の主婦と生活社に対し、55万円の支払いを命じた。

産経新聞(YAHOO! ニュースより)

「週刊女性」側が敗訴 女子医大死亡事故

7月30日22時19分配信

東京女子医大病院で平成13年、群馬県高崎市の平柳明香さん=当時(12)=が心臓手術の際に死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われ1審・東京地裁で無罪となった元同病院医師、佐藤一樹被告(43)が、週刊誌「週刊女性」の記事で名誉を傷つけられたとして発行元の「主婦と生活社」に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。石井忠雄裁判長は「裏付け取材を一切しておらず、記事で指摘した事実を真実と信ずる相当な理由は認められない」として、同社に55万円の支払いを命じた。

時事通信社

2007/07/30-19:45 「週刊女性」側に55万円賠償命令=元東京女子医大医師の名誉棄損-東京地裁

東京女子医大病院(東京都新宿区)で2001年、心臓手術後に女児が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われ一審で無罪となった元同病院医師佐藤一樹被告(43)が、「週刊女性」の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の「主婦と生活社」(中央区)を相手に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、名誉棄損を認め、55万円の支払いを命じた。
 石井忠雄裁判長は、佐藤被告が手術ミスをしたとする記事について、「真実と認めることはできない」と述べた。

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コメント

まずは一つ。
お疲れ様です。
おめでとうございますとは言いませぬ。
当然ですから。

投稿: たまたま酸化医 | 2007年8月 1日 (水) 22時15分

コメント有り難うございました。
確かに、勝訴自体は私も「当然です」と思っております。油断することなく頑張ろうと思います。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2007年8月 1日 (水) 23時57分

先生はじめまして。ずっと心の中で御身を案じております。
たくさんの先生方がblogで応援されています。
先生の頑張りはたくさんの先生の誇りとなると思います。
お体を大切にされて下さい。

投稿: エビ | 2007年8月 3日 (金) 09時11分

金額も減額理由も到底満足できるものではありませんが、まずは勝訴第1号おめでとうございますと言わせてください。

直接取材せず他社の報道の尻馬に乗って医者叩きを行うことが民事上の責任を生むという厳然たる法的事実は、もっと注目されるべきだと思います。

投稿: 腎臓内科医 | 2007年8月 3日 (金) 13時31分

金額やその算定理由には到底納得できませんが、まずは勝訴第1号、おめでとうございますと言わせてください。

自ら取材することもなく、他社の報道の尻馬に乗って医者叩きをやることに民事的責任が生じるという厳然たる法的事実は、もっと厳しく認識されるべきと思います。

投稿: 腎臓内科医 | 2007年8月 3日 (金) 15時03分

お疲れ様です。
金額はともかく、とりあえずは、良かったと思います。


>①原告が実際に逮捕されるなどして、原告が本件手術の際にミスを犯したとの疑いが社会全体に広く報道されており、その限りにおいて、医師としての原告の社会的評価は既に相当程度低下していた

これは、その前に社会的評価を下げた人に払って貰え、って事なんでしょうね、当然。

投稿: Dr. I | 2007年8月 4日 (土) 23時57分

長い道のりお疲れ様でした.
とりあえず,勝訴でよかったと思います.

今後も道は平坦ではないでしょうが,多くの医療従事者が先生を応援しています.
いつの日か,この時代が医師を刑事被告人としていた異常な時代として万人に認識される時代がやってくることを願っています.

投稿: 田舎の一般外科医 | 2007年8月 7日 (火) 23時34分

お疲れ様でした。まず勝訴一つめ、おめでとうございます。ひとつひとつ確実に病むところを片付けていく作業は医師の仕事に通じるものです。
紫色先生は、ある意味で後に続く(続かない方がいいのだが)ものの水先案内人としての背中みえるようです。

遠くから応援しています。

投稿: 雪の夜道 | 2007年8月10日 (金) 18時21分

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