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2008年1月11日 (金)

痴漢冤罪事件ー検察の「勾留請求」が却下される率

国際人権の視点から米兵身柄引き渡し問題を考える http://www.jinkennews.com/column14.htm の頁によると

「(1)無罪率(刑事事件で無罪判決のでる率)。
地裁 0.06%
簡裁 0.17%

※通常第一審における無罪率(全部無罪人員、一部無罪人員(主文において有罪と無罪の裁判があった者)及び全部無罪人員の、判決人員(有罪人員と無罪人員の合計)に対する割合)

(2)逮捕状の請求が却下される率。
地裁及び簡裁全体での通常逮捕状請求に対する却下率  0.03%
          緊急逮捕状請求に対する却下率  0.09%

(3)検察の「勾留請求」が却下される率。
地裁での却下率(却下数/請求件数) 0.65%
簡裁での却下率           0.14%

(4)身柄率(逮捕された状態で裁判が始まる率)
平成11年における地裁での勾留率 63.0%
簡裁      61.0%

※同一人に対しての「身柄率」については、同文献にはデータなし。
勾留率(その年中に勾留状が発付された人員/新受人員)であれば、以下のとおり。

(5)保釈率(保釈が認められる率)
地裁      14.6%
簡裁       7.4%

※保釈率(通常第一審終局前にその年中に保釈が許可された人員/新受人員)」

とのことです。

前回のブログ「また無罪判決です」では、有罪率を99.7%と書いてしまいましたが、(1)によれば、「一審の有罪率は99.94%」ということになるようです。

 私が、以前から良い記事を書いていると思い注目している東京新聞の記事には、「検察側の拘置請求は却下され、男性は釈放された」とあります。これは鋭い指摘だと思います。拘置請求を却下させたのもやはり弁護士さんの実力でしょう。私は無罪判決に注目していましたし、一般に無罪判決は報道されるのでいやでも注目されます。が、拘置請求が却下されたという話しは聞いたことがありませんでした。拘置請求が却下されたのにもかかわらず、在宅起訴して無罪という判例があるのでしょうか?検察官の強引さが強調されていると思います。

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コメント

> 拘置請求が却下されたのにもかかわらず、在宅起訴してという判例があるのでしょうか?

勾留請求却下(準抗告による場合も含め)の後、在宅起訴になるのはむしろ普通です。
つまり、元々逮捕の必要性が薄く、在宅事件として捜査を進めるべきだった事件、と言い換えることが可能です。

勾留の要件は、「犯罪の嫌疑の有無」ではなく、「逃亡や証拠隠滅のおそれの有無」の問題なので、
「犯罪を犯したことは間違いないが、自白し、身元引受人もおり、証拠も(ほぼ)すべて収集済」
というのが勾留請求が却下される典型的な場合です。

むしろ、勾留請求却下→無罪 という例の方がきわめて異例だと思います。

投稿: fuka_fuka | 2008年1月11日 (金) 12時26分

先程のコメントに補足です。
1月7日の痴漢無罪判決の件で勾留請求が却下された理由が、令状部の裁判官が無罪の心証をとったから、という可能性は限りなく低いだろうと思われます。

当該被告人(当時は被疑者)の身元がしっかりしていて逃亡のおそれが低く、また痴漢(の疑い)という性質上、隠滅・捏造の可能性が懸念される証拠にも限度があるので、被害者と接触しない、任意の取り調べには誠実に応じる、等の誓約書を提出させ、また身元引受人となる家族等からも誓約書を提出させることで、結果的に有罪か無罪かにかかわらず、 「在宅事件相当である」 と裁判官が判断した、ということにとどまるのではないかと思われます。

投稿: fuka_fuka | 2008年1月11日 (金) 12時34分

fuka_fuka さんコメントありがとうございました。
おっしゃることは充分理解できました。
私も勾留請求は準抗告でも全く相手にされませんでしたし、保釈請求も一旦認められたのに、検察官の準抗告が認められてひっくりかえされたので、保釈に関する基礎知識を勉強しましたが、よく考えれば、fuka_fuka さんのおっしゃることが一般的だと思います。、
 このため、ブログの記事を修正させていただきました。
 勾留請求が却下されるのが稀である中、無罪を主張していて、勾留請求が却下されることがあれば、これは極めて稀であるということになりますね。また、おそらく自白調書が存在したために、勾留請求が却下され、その後に在宅起訴されたが、無罪になったということも稀であるということですね。

投稿: | 2008年1月11日 (金) 13時48分

> 勾留請求が却下されるのが稀である中、無罪を主張していて、勾留請求が却下されることがあれば、これは極めて稀であるということになりますね。

勾留請求の段階で否認していたら、まず却下は考えられないのが現在の実務(いわゆる人質司法)であろうと思われます。
(先生に申し上げるまでもないこととは存じますが^^;)

本件で、当初から否認だったのか、自白から起訴後に否認に転じたのか、いずれにしてもきわめて稀ではないかと。

投稿: fuka_fuka | 2008年1月11日 (金) 19時52分

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