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2008年1月19日 (土)

第5回控訴審速報 その2 「当てずっぽう」「いい加減な性格の」証人の供述の変遷と信用性

「証人の供述等の変遷」目次

はじめに

1.平成16年12月15日 東京地方裁判所において

2.平成17年 1月31日 東京地方裁判所において

3.平成1712 1日(「無罪判決」翌日の言い訳)

4.平成18年 2月17日 東京地方検察庁において(検察側証拠 不同意)

5.平成19年 7月 4日 東京高等裁判所において

6.平成20年 1月16日東京高等裁判所において

参考

http://d.hatena.ne.jp/suehiro3721p/20040806#1091796554

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/5_de20.html

はじめに

一般に供述の変遷は、それだけで供述内容の信用性を減殺されます。目まぐるしく変転している場合には、供述全体について信用性を認めることができません。ましてや、他の民事裁判で、「真実でない、真実と誤ってしまう相当性もない」と判断され人間であれば、なおさらでしょう。

なお、証人は自分について、a「当てずっぽう」b「いい加減な性格c「単なる空想」「自分勝手ないいとこどり」と自己評価しています。自分で自分は信用性がないと宣伝しているようなものです。

a「当てずっぽう」―控訴審第3回公判(証人と弁護人のやりとりより)

(証人以下、証人の供述等はこの色文字)・・・そういった麻酔記録からの確たる根拠としての10分間という話ではないのであって,大体の当てずっぽうで想定で10分くらいではないかと言ったと言われればそのとおりであります。

     ・・

(弁護人)証人は現在は10分程度人工心肺が止まったというふうにお考えなんですか,それとももう10分についてもかなり当てずっぽうに近いものだというようなお考えなんですか。

先ほど申しましたけど,本件の事象がとにかく逆流も生じ,それが例えば最低限どれくらい起こればこういったことが説明できるのか,逆流の程度ということが何分間生じた,そういったデュレーションにかかわってくると思うんですけれども,恐らく5分以内,そういった逆流が生じ始め,・・・5分と10分,あるいはそれ以上なのか,そのような印象ですね,それを喜田村先生がおっしゃるように当てずっぽうと言われれば当てずっぽうなんですけれども私としては思っている次第です。

当てずっぽうと言ったのは私が最初じゃありませんからね,その点だけは確認しておきます。(喜田村先生も、楽しいこといってくれますね。-管理人)

b「いい加減な性格」-控訴審第4回公判(証人の麻酔記録に対する態度)

「正直申し上げて,ここの記載がどの程度であるかというのは,僕自身のいい加減な性格なのでしょうか,全く気にはしていませんでした。」

c「単なる空想」「自分勝手ないいとこどり」」控訴審第4回公判(弁護人に対する証人の返答より)

「・・・だからといって単なる空想をそのままに,そうかもしれませんね,そうかもしれませんね,では真実の解明からは当然程遠い,だれかが被るべきでない不利益を被るということもあり得るわけで,私としましては本日も前回もずっといろいろと喜田村先生のほうからそういった時系列うんぬんに関して尋ねられておりまして四苦八苦しながらお答えしているというのは明らかであり,よく皆さん御理解いただいていると思うんですけれども,なかなかその点に関して正直申し上げて確証を持ってこうだと言うことはできないし,余りこういった記録からこれが事実に違いないというのは僕自身,自分の勝手ないいとこ取りだけしておまえの勝手な考えを作りやがってと言われるかもしれませんけれども,そうなると本当に自己矛盾ではあるんですけれども,意味がないというよりも,非常に,どう考えても困難さにぶち当たるのではないかと思うのですけれども。」

これに対して、一回供述したことに対して、その供述に嘘がないことを確認した場合はどうでしょうか。

 以下同じ証人の供述などを考察してみます。

前提として、争点は「フィルターの閉塞は予見可能かどうか」ということでした。」フィルターが、薬事法上違反のものが使用されていたとか、一回限りの使用法のものを繰り返し使用していたことは、無視されて尋問されています。

1.平成16年12月15日 東京地方裁判所において

「(検察官)つまり私が聞きたいのは、今、証人がおっしゃったような、そのガスフィルターの特性とか、あるいは陰圧回路に関する基本的な理解、これがあれば、現実に起こるかどうかは置いておくとして、こういう事態になるだろうなということは予測できるかどうかということなんですが、それはできるというお話でよろしいんでしょうか。

・・・興味本位的に水を流したらどうなるかというふうな、正に興味本位な実験みたいなものですから、そのときに、ある人は、いや水が通るんじゃない、ある人は、やっぱり水通さないんじゃないというふうな、いわゆる教育テレビでやってるような小学生の理科の実験のような、そういうふうなレベルじゃないかなと僕は思うんですけ。だから、医学的知識を持って通常に考えて、絶対にこんなものは水を通さないというふうに、今日思うかもしれないけれどもあしたは思わないかもしれないというふうなレベルであって、思うにしても、それなりの、目が細かいし、本来水を通さないわけだから、そこに湿った空気、あるいは結露、あるいは水が流れてくれば、恐らく遮断されるんじゃないかというふうな印象は、まあ持つんじゃないかなとは思うんですけどもね」(原審45回30頁)

「(検察官)・・・そこが、結露がもし生じたとしたら、その結露によって詰まってしまうということは予想できたと思いますか

予想・・・、詰まるだろうなということでは、さっきも言いましたけれども、正直申し上げて、ないと思います。そういう意味では予想ではないんですけれども  ・・・」(原審45回31頁)

    「(検察官)今証人がちょっとおっしゃった脱血が止まるというのは、そういうことをおっしゃっているんでしょうか。

そうです。しかし、ここにも落差が存在しますので、どの程度の落差が機能する、あるいは全くしないのか、これはだれにも予想つかない状況になると。

そこについては証人は分からないと、落差が効くのか、効かないのかということですね。

だから、その状況は分からないけれども、その状況が分からないという状況に立たされてしまうということは予測できるということです」(原審45回33頁)

    「(検察官)今証人に見ていただいているような陰圧の回路を見せられたりしたとしたら、ガスフィルターが回路内の結露によって閉塞することを予想できたかどうかということについては証人はどう思いますか。

・・・閉塞といいましても完全にぴたっと閉塞するのか、あるいは、すごく抵抗はあるけれども、ちょろちょろとは気体がまだ通過するのか分からないんですけれども、・・・。

予想できないというのは、フィルターが詰まっちゃった後がどうなるかということをおっしゃっているんですか。

        そうです。・・・一体全体、どういうふうな状況になっていくのかというのは、正確に、あるいは常識として必ず詰まるんだというふうな結論をみんなが持ったとは思いませんが、しかし、そこで、いや、結露して完全に閉塞して詰まったんだよというふうなことに対しては、ああ、それはそうだね、当然そういうことが起こるだろうねというふうな認識はみんな持ったと思います(原審45回33~34頁)

2.平成17年1月31日 東京地方裁判所において

「(弁護人)主尋問で、ガスフィルターということについていろいろお答えになってましたけれども、先生が主尋問でお答えになっていたガスフィルターということを想定してお答えいただいて結構なんですけれども、水蒸気になっているときにそのガスフィルターを通過するかどうかは、どうでしょう。

・・・ただ水蒸気が通過しない、完全にトラップされるという現象が起こっても不思議ではないし、通過するという事実を結果として見せられても、なるほどそうかなと思う事実でもあるし・・・したがって、可能性の問題としてどちらとも言える、通過するかしないかはやってみないと分からないというのが答えです」(原審46回10頁)

「(弁護人)前回の御証言ですけども、水を通すかどうかということに関連して、絶対にこんなものは水を通さないというふうに、今日思うかもしれないけれども、あした思わないかもしれないというふうなレベルということを、前回調書30ページでおっしゃっておられるんですけれども、まあ、詰まる可能性はあるけれども、詰まると確定的には言えないということなんですか、もう少しかみ砕いて説明していただけませんか、ここを。

そのとおりなんですけれども。・・・詰まるのか詰まらないのか、どの程度で、じゃあ、詰まるのかということに関しての、実際の予測に関しては、事前には全く分からない、想像の域を出ない、つまり、詰まったとしても不思議はないし、いや、水蒸気、がんがん流れていきましたけど、フィルターは全く詰まらなかったですよというふうな事態が起こったとしても、ああ、それはそういうものなのかなというふうに考えるであろうという内容の、僕の趣旨の証言です」(原審45回18頁)

詰まるか詰まらないかも、まあ、両様に考えられるし、仮に詰まるとした場合に、どの程度の水の量で詰まるのかについても、お分かりにならないというふうにお聞きしていいんですね。

ええ、そのとおりです。ただし、フィルターですから、それが水であろうが何であろうが、フィルターをそこに置いた限りにおいては、何らかの影響で詰まってしまう、あるいは場合によっては、めちゃくちゃ極論ですけれども、製品が不備であって、最初から何も通さない、そんなフィルターが、箱を開けてくっつけたら、存在するかもしれないぐらいの、つまり、フィルターというものは詰まる可能性のあるものであって、それに関しては、詰まる可能性があるというふうに、可能性に関しては厳然として存在するものだというふうに思いますけれども。

    同じく主尋問のお答えですが、34ページですが、閉塞といいましても完全にぴたっと閉塞するのか、あるいは、すごく抵抗はあるけれども、ちょろちょろとは気体がまだ通過するのか分からないんですけれども、そういう、とにかく予測できない事態であるということをおっしゃっておられますけれども、閉塞するかどうか、それが部分的かどうかということについても分からないということですね

はい、全くそのとおりです

仮に、詰まってるということがあると仮定して、徐々に詰まっていくのかどうか、あるいは、いきなり詰まるのかということについてはどうでしょうか。お分かりになりますか。

これも分からないと思います。・・・どれぐらい詰めれば、全体の外形的な機能というものがなくなる、つまり、完全に詰まってしまう、あるいは、流れにくいものになっているのかという程度に関しても分からないと思います。

仮に徐々に詰まっていくというようなことがあったとして、その間、脱血がどうなるのか、影響があるのかないのかというようなことについては、何かお分かりになりますか。

最初から申し上げておりますように、この吸引補助脱血に関しては、概念で理解していただけでありますし、また、実際に自分で人工心肺を操作したことがないということもあるんですけれども、フィルターが詰まったという状況で、実際に、次にどういう現象が、どういう形で起こっていくのかということに関しては、僕自身の今の知識からすると、すぐに頭の中に浮かんでくるものではないと思います。つまり、それは、その場の現象として何が起こるかというのは、具体的に余り想像できないということです。

主尋問のお答えをお聞きしてますと、仮に詰まったとして、脱血が全体としてできなくなるのか、落差だけはできるのかというようなことについても分からないというようなお答えかなと思ったんですが、そういう理解でよろしいですか。

はい、そのとおりです

34ページのところですが、常識として必ず詰まるんだというふうな結論をみんなが持ったとは思わないけれども、結露して完全に閉塞して詰まったんだよというふうなことに対しては、ああ、それはそうだね、当然そういうことが起こるだろうねというふうな認識はみんな持ったと思いますと、こういうお答えなんですけれども、振り返ってみれば、当然そういうこともあるだろうねと、こういうことですかね

まあ、そういう御趣旨の質問ですと、そのとおりということです・・・湿度の高い空気がフィルターにどんどん流れていくことによって、フィルターは、ガスフィルターは詰まる可能性があるということに関しては、多くの人は知らなかったし、想像もつかなかったかもしれないけれども、実際にこういうことがあったんだという事実を突き付けられれば、なるほど、そういうこともあるんだろうなとういふうに理解するだろうということです」(原審46回17~20頁)

3.平成17121日(無罪判決翌日=弁護側証拠 第1号)

前略

11月30日の無罪判決につきまして、おめでとうございます。

当方のことを、「検察に迎合したお調子者」と評価されているかもしれません。

が、テレビで佐藤先生の顔を見て、自分なりの言葉を伝えたいと思い、お手紙差し上げた次第です。あえて今回の判決の意義を申し上げますと、まず、「個人の勝利」が挙げられると思います。裁判の内容や事件の性質は別として、孤立無援の状態で、ほとんど徒手空拳で裁判を戦い抜いた佐藤医師の根性は、誰もが目を見張ることでしょう.昨年の暮れ、検察から裁判の話を聞いたとき、そして初めて電話で話したとき、当方は孤軍奮闘する佐藤医師の熱気に圧倒されました。おそらく自分であったら、「もうどうでもええわ…」となっていたことでしょう。そうさせなかったパワーはどこにあるのか、誰もが尊敬するところでしょう。そしてそれは「無罪判決」として結実したようです。

大学病院から「切られた」かたちで戦い抜いた佐藤医師を批判する人はいないと思います。報道も「操作した佐藤医師」ではなく大学病院に批判が向けられています。

おそらく佐藤先生には「自分としてはやるだけやったから結果はどうでもいい」と言う感じの、投げやりではない、充実感ゆえの達観した気分で判決を迎えたのではないでしょうか。テレビで見受けられた「高ぶらない」表情から、そんな心境が読み取れました。

全部が自分に敵として向かってきている、当事者である大学組織が自分をのけ者にして忘れ去ろうとしている。これに対する憤りは誰もが容易に理解できるものですが、実際に行動を起こす人はいないでしょうし、起こせる立場にいる人もいないと思います。

今回の判決は一般論として、医療現場において「事故が事故として、結果だけで判断されず、しっかりと責任の所在が「組織にある」と認められたこと」で、組織が責任逃れすることはできないという前例を作ったことになりますが、それ以上に、一人の医師の孤軍奮闘振りには、杜会は無言で、畏敬の念を抱いていることは間違いありません。

地獄を見た奴は強い、地獄から帰ってきた奴には勝てない!見たくてみた地獄ではないでしょうが、これからの佐藤医師の人生にとって絶大なるパワーの源となることはまちがありません。ご自分でも気がつかないでいる、自分の中に備わった無限のパワーがこれから先の将来、随所で威力を発揮することでしょう。楽しみにできるのではないでしょうか。そして、これからは今までの100万倍も充実した時間を過ごされることを確信する次第で

す。

草々

4.平成18年2月17日 東京地方検察庁において(検察側証拠 不同意)

1.昨年の11月末に,今回の東京女子医大で起きた事件で無罪判決が出た後,検事から,判決文の写しを送ってもらい、私の証言に対する判決の評価を見ました。

 率直に言って,その判決を読んでとても心外だったというのが私の感想です。というのも,私としては,今回の事件を知る前の私の知識や経験からして,仮に,私自身が本件手術で使われた人工心肺回路を操作する立場に立たされた場合には,ガスフィルターが水や水蒸気を多く含む湿った空気によって詰まる可能性があるので,危険であると感じたはずであると証言したつもりでした。

 しかし,判決文によると,裁判官には私の証言の趣旨が正確には理解されなかったようで,ガスフィルターが詰まるという事態が発生するであろうという予測をすることができるとした私の証言は,今回の事故が起きた後の事後的な判断にたって,いわば結果論として被告人の佐藤医師の措置を不適切と評するものだと言われてしまいました。

このような判決の私の証言に対する評価については,私としては納得がいきません。

2  私は,証人尋問の際にも述べましたように,本事故の前から,ガスフィルター自体は,気体の中の微少な異物を取り除くという役割を果たす物なので,液体も取り除くであろう,仮に水が引っ張られてくれば、ガスフィルターは詰まるであろうと思っていました。

証言でも例をあげたように,日常生活の中で気体の中の塵などを取り除く役割を果たすフィルターとして思い浮かぶものとして,煙草に付いているフィルターや電気掃除機に付いているフィルターやエアコンに付いているフィルターなどがありますが,これらのフィルターなどを考えてみても,水が流れていくと,全く通過しないのか,それとも少しは通過するのかは,実験してみないと分かりませんが,いずれにしてもフィルターが水びたしになってしまえば,水が邪魔になって詰まってしまい,気体を通さなくなって機材の本来の機能を果たさなくなることは容易に予想できることと思います。また,本件事故前の私の知識によっても,水蒸気を多く含んだ湿度が高い空気がガスフィルターにどんどん流れていくという状況であれば,ガスフィルターの表面で水蒸気が結露して水となり,ガスフィルターが詰まってしまうだろうということは理解していました。

私は大学の医学部時代や医師になってからも,特別物理や化学を深く勉強したという訳ではありませんが,高校時代までに勉強した物理や化学の知識から,水蒸気がガスフィルターで結露して詰まるだろうと理解していました。

ただ,本件事故の前に,私自身が,陰圧吸引補助脱血法によって人工心肺を操作した経験はありませんでしたし,ましてや,東京女子医大の心研で使われていた陰圧吸引補助脱血法の人工心肺を操作した経験もありませんでした。

また,今回の事故の際に使われた人工心肺装置で陰圧吸引補助脱血法を続けた場合でも,一体どれぐらいの時間それを継続すれば,ガスフィルターが水や水蒸気で詰まってしまうのか実験をやって確認したわけでもありませんでした。

・・・

しかし,判決文では私が断定することを避けた部分を過剰にクロ一ズアップし,私の証言の要約として,ガスフィルターは「本来あるべきものではないので,そこに水分が貯まれば閉塞するであろうことは理解できるが、現実にその可能性があるかどうかを予想できるとまでは言いにくいし,水蒸気でガスフィルターが閉塞するかどうかは,やってみなければ分からない」などと要約されてしまったのだと思います。

     ・・

ですから,本件事故の当時私がこの人工心肺を操作する立場にあったならば,ガスフィルターが水や水蒸気によって詰まることを予測ことができたかと聞かれれば,予測することはできたという答えになります。

付録

―ある医療過誤研究家の意見―

「何ですかこのNBという人は!

私が未熟であることも原因なのでしょうが、見事に欺かれました。怒りでキーボード打つ手が震えます。

医療過誤を研究していたこともあり、私も大学医学部の先生方や、一般の開業医の方などとお話する機会が少なからずありましたが、このような方ははじめてです。メディアに対する発言も、多くの医師が医療への信頼を高めようと努力している中で、医師としてあるまじきものではないでしょうか。」

-ある心臓外科医の意見―

NB先生の文ですが、自信過剰で肩で風切って歩く外科医にありがちな、教養を感じさせないつづり間違いだらけのカルテや、慇懃無礼で謙虚さのかけらもない強引なムンテラを想像させるいかにもお粗末な意見書という読後感です。マスコミや似非文化人におだてられているだけなのに、たかだかバイパスという一芸に秀でているという自信が、驚くほど不勉強でも素人をけむに巻いておけばみんな頭を下げるだろう、と高をくくった安易な処世術を構築していていかにも貧しく、これくらいでよかろうという不遜ともいえる傲慢さと低劣な根性が行間に見て取れます。魂の貧困、おいたわしや日本国民。自分で自分を褒めちぎる品格のなさになぜ皆嫌悪を抱かないのでしょう。

5.平成19年7月4日 東京高等裁判所において

自分自身としてはこういった件にたまたま何かの御縁でかかわらせていただいたことに関して,'非常に,自分が心臓外科をやらせていただいてきたことに対する社会に対する恩返しだと思いますし,本件のこういった記録は当然残るものでありますし,第三者の目に残るものでもありましょうし,心臓外科医の同業者が,被告医師でもない,被告人の勤務していた女子医大でもない,私も全く関係ない,あるいは遠い未来に僕の証言を聞いて何らかの感慨を得るであろうという想定の下に,決して偏ったものではない証言を自分としては努めたすもりであります。

    

(通常、宣誓してまで、証言した証人は「決して偏ったものではない証言を自分としては努めたすもりであります。」なんて言う必要がないはずですが、敢えて供述しているのですから、通常はその「逆」で、「自分の言っていることは、通常は、偏った証言に聞こえる」と告白していることになると思います。・・・管理人)

付録

-ある現役検事の傍聴後の意見―

あきれ返って帰ってきた。検事として目が点、というか点々になった。新規の論点など何もないどころか、何故この証言がトップバッターなのか。全く意味不明、自慢話・正義感を交えた証言で、人となりの大体のことは分かった。

―ある医療過誤研究家の意見―

一審からの証言を全て聞いておられる喜田村先生が、法廷で冷静に対応されていた態度にはプロフェッション魂を感じます。もし私が事前に資料を読んでいたら、傍聴席から野次をとばしていたかもしれません。「弁護人によって一蹴」という表現も、あのような思想的な証言は当然弁護人は一蹴するであろうという認識です。」

6.平成20年1月16日東京高等裁判所において(以下、メモと記憶から。概ね以下の通り)

(弁護人)地裁での証言で撤回する部分はありますか。

        ありません

すべてそのとおりと理解してよいですか。

        はい

検察官の、『つまり私が聞きたいのは、今、証人がおっしゃったような、そのガスフィルターの特性とか、あるいは陰圧回路に関する基本的な理解、これがあれば、現実に起こるかどうかは置いておくとして、こういう事態になるだろうなということは予測できるかどうかということなんですが、それはできるというお話でよろしいんでしょうか。』という尋問に対して、『だから、医学的知識を持って通常に考えて、絶対にこんなものは水を通さないというふうに、今日思うかもしれないけれどもあしたは思わないかもしれないというふうなレベル』とこれでよいですね。

        はい。

「検察官の・・『そこが、結露がもし生じたとしたら、その結露によって詰まってしまうということは予想できたと思いますか。尋問に対して『予想・・・、詰まるだろうなということでは、さっきも言いましたけれども、正直申し上げて、ないと思います。』と答えていますが、その通りですね。

        はい

「検察官の、『今証人がちょっとおっしゃった脱血が止まるというのは、そういうことをおしゃっているんでしょうか。』に対して『そうです。しかし、ここにも落差が存在しますので、どの程度の落差が機能する、あるいは全くしないのか、これはだれにも予想つかない状況になると。そこについては証人は分からないと、落差が効くのか、効かないのかということですね。だから、その状況は分からないけれども、その状況が分からないという状況に立たされてしまうということは予測できるということです』と答えていますがそれでよいですね。

        はい

「検察官の、『予想できないというのは、フィルターが詰まっちゃった後がどうなるかということをおっしゃっているんですか。』の尋問に『そうです。・・・一体全体、どういうふうな状況になっていくのかというのは、正確に、あるいは常識として必ず詰まるんだというふうな結論をみんなが持ったとは思いませんが、しかし、そこで、いや、結露して完全に閉塞して詰まったんだよというふうなことに対しては、ああ、それはそうだね、当然そういうことが起こるだろうねというふうな認識はみんな持ったと思います』と答えましたが、これでよいですね。

        はい

「私の『水蒸気になっているときにそのガスフィルターを通過するかどうかは、どうでしょう。』に対して、『通過するかしないかはやってみないと分からないというのが答えです』と答えましたね。

        はい

「私の『前回の御証言ですけども、水を通すかどうかということに関連して、絶対にこんなものは水を通さないというふうに、今日思うかもしれないけれども、あした思わないかもしれないというふうなレベルということを、前回調書30ページでおっしゃっておられるんですけれども、まあ、詰まる可能性はあるけれども、詰まると確定的には言えないということなんですか、もう少しかみ砕いて説明していただけませんか』に対して『詰まるのか詰まらないのか、どの程度で、じゃあ、詰まるのかということに関しての、実際の予測に関しては、事前には全く分からない、想像の域を出ない、つまり、詰まったとしても不思議はないし、いや、水蒸気、がんがん流れていきましたけど、フィルターは全く詰まらなかったですよというふうな事態が起こったとしても、ああ、それはそういうものなのかなというふうに考えるであろうという内容の、僕の趣旨の証言です』でよいですね。

        はい

『閉塞するかどうか、それが部分的かどうかということについても分からないというこですね。』に対して『はい、全くそのとおりです。』でよいですね。

        はい

仮に徐々に詰まっていくというようなことがあったとして、その間、脱血がどうなるのか、影響があるのかないのかというようなことについては、何かお分かりになりますか。』に対して『最初から申し上げておりますように、この吸引補助脱血に関しては、概念で理解していただけでありますし、また、実際に自分で人工心肺を操作したことがないということもあるんですけれども、フィルターが詰まったという状況で、実際に、次にどういう現象が、どういう形で起こっていくのかということに関しては、僕自身の今の知識からすると、すぐに頭の中に浮かんでくるものではないと思います。つまり、それは、その場の現象として何が起こるかというのは、具体的に余り想像できないということです。』でよいですね。

        はい

『主尋問のお答えをお聞きしてますと、仮に詰まったとして、脱血が全体としてできなくなるのか、落差だけはできるのかというようなことについても分からないというようなお答えかなと思ったんですが、そういう理解でよろしいですか。』に対して『はい、そのとおりです。』でよいですね。

        はい

『34ページのところですが、常識として必ず詰まるんだというふうな結論をみんなが持ったとは思わないけれども、結露して完全に閉塞して詰まったんだよというふうなことに対しては、ああ、それはそうだね、当然そういうことが起こるだろうねというふうな認識はみんな持ったと思いますと、こういうお答えなんですけれども、振り返ってみれば、当然そういうこともあるだろうねと、こういうことですかね。』に対して『まあ、そういう御趣旨の質問ですと、そのとおりということです・・・湿度の高い空気がフィルターにどんどん流れていくことによって、フィルターは、ガスフィルターは詰まる可能性があるということに関しては、多くの人は知らなかったし、想像もつかなかったかもしれないけれども、実際にこういうことがあったんだという事実を突き付けられれば、なるほど、そういうこともあるんだろうなとういふうに理解するだろうということです」』でよいですね。

        はい

(さすがに、自らが一審で証言したことを否定はできなかったということです-管理人。)

まだまだ資料の山

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コメント

この「証人」を採用した検察、自殺行為だと思うのですが...話をちょっと聞くだけで、この方が全然話にならない人だと言うことは、良識ある人なら誰でにでもわかりそうなものではないでしょうかねえ?昔からこの人嫌いでしたけど、この記事や前回の記事を読ませていただくと、もう、一緒の世界で仕事している人と言うのが悲しいですね。手段を選ばず、というか世間的にインパクトのある証人が必要だった、ということなのでしょうか?おもいきり逆効果.....

投稿: snorita | 2008年1月19日 (土) 13時46分

sncrite先生コメント有難うございました。
 弁護士さんからの尋問に対しては、証人が被告人と間違えられてしまうくらいの様子で攻められていました。医療裁判の医師である証人のいい加減な発言に対して、弁護人が医学の内容で勝っているという状況です。
「・・・では真実の解明からは当然程遠い,だれかが被るべきでない不利益を被るということもあり得るわけで,私としましては本日も前回もずっといろいろと喜田村先生のほうからそういった時系列うんぬんに関して尋ねられておりまして四苦八苦しながらお答えしているというのは明らかであり,よく皆さん御理解いただいていると思うんですけれども,なかなかその点に関して正直申し上げて確証を持ってこうだと言うことはできないし・・」ですからね。どっちが自然科学をあつかう職業なのかわからなくなります。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2008年1月19日 (土) 21時23分

 人ひとり、刑務所に送るかどうかの裁判で、専門家としての意見を求められていると言うことの意味を全く理解していないようですね。

 こんなくだらない裁判、さっさと終わりにして、先生が完全に解放されることを祈っています。

投稿: bamboo | 2008年1月20日 (日) 05時03分

bamboo先生コメントいつも有難うございます。
ひとり、刑務所に送るかどうかの裁判で、専門家としての意見を求められていると言うことの意味を全く理解していないようですね。
→そもそも、本件手術で使用された、陰圧吸引法(人工心肺の脱血法)は、一回も経験したこともなければ、見たことすらない。
・本件陰圧吸引法は、1995年頃から開発されて論文で発表されたものなのに、法廷に来る前に論文も読んだことがなければ、この方法を知ったのは、21世紀に入ったころで、それもこの方法を使用している医師から話しを聞いただけ。
・日本心臓血管外科学会や日本人工臓器学会には所属していない。
・ 一審で重要な証拠となった「3学会報告書」は日本心臓血管外科学会と日本人工臓器学会と日本胸部外科学会によって作成されたものであるが、証人は、日本人工臓器学会は関与しておらず、日本血管外科学会が参加していると思っていた。
・ 証人は、本件で行われた、小児の第2肋間までの胸骨部分切開の手術経験はない。
・証人が、一審の公判調書(被告公判、相被告人公判、術野医師公判、麻酔医師公判、看護師公判、臨床工学士公判、人工心肺記録者公判等)は、通しで読まずに検察から提示された部分のみしか読んでいない。
ので専門家とはいえませんよ。
テレビ出演や雑誌のインタビューと同じレベルで出てきてるのでしょう。

偽証だってやり放題でしょう。偽証罪は刑事で、起訴するのは検察ですから、検察側証人出てきて偽証したって立件されるはずないですからね。

こんなくだらない裁判、さっさと終わりにしたいと思っていました。証人は何考えて私に手紙を書いてきたのでしょうかね。人の人生の時間の無駄を遷延させていることなどどうでもよくて、自分の宣伝になればよいとでも考えているのでしょう。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2008年1月20日 (日) 11時48分

大言壮語の方とは思っていましたが,御自身の行動については無責任なのですね.
当地では医療訴訟自体が下火になりかけております.
無理な訴訟は社会を破壊するとの認識が出来つつあるためです.しかし,医療訴訟が多いとは言え,こんな話は出てきません.そもそも検察が証人として採用しないでしょう.
先生が心から休まれる日が早く来ることを願っております.

投稿: Crab | 2008年1月30日 (水) 13時05分

Crab先生コメント有り難うございました。
 このような人物を採用する検察の品のなさも酷いですが、未だにこのような人物を記事にするメディアもレベルが低いですね。
 吻合途中の冠動脈の糸を意図的に切る心臓外科医が他にいたら教えてもらいたいですね。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2008年2月27日 (水) 21時45分

このHPをみて以下のようにM3に書き込んできました。


裁判所を訴えたことが以前あった様に記憶していますが・・・

「しかし、臨床現場も知らずにいい加減な鑑定を出しているような鑑定医を訴えることはできるのではないでしょうか?」
鑑定医も裁判所の職員と同等の立場になりますので、判事を訴えられないのならそれと同様の立場になると思います。

「まずは、無責任な鑑定意見が出てこないようするのがある意味訴訟対策としては有効ではないかと最近思っていますが、いかがでしょうか?」
全くその通りですね。
複数鑑定の定着は重要だと思います。
また、無責任な鑑定には断固とした態度が必要ですね。本人への質問や鑑定への批判の投稿、鑑定に対する議論など、無責任な鑑定は許されないという意識を持たせる必要があり ます。
無責任な、自分だけが優秀君の鑑定医が存在します。しかも、金銭も名誉も絡むので性質が悪いのです。本当に優秀な集団である医師という職業集団において無責任な鑑定が許さ れて良いはずはありません。一人一人が無責任鑑定医、間違った鑑定医を弾劾する必要がありますね。
http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_fab4.html
これなども馬鹿げてますね。

もう一点は裁判結果に対する学会の批判がなさ過ぎる事ではないでしょうか。
学会の理事連中はやはり危機感がなさ過ぎると思います。

投稿: 竹の子 | 2008年3月 9日 (日) 15時13分

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» 神の手? [医療報道を斬る]
 漫画のモデルになり、マスコミによって「カリスマ医師」「神の手」ともてはやされた医師がいる。何度も医療バッシングの番組に出ていたので、私自身は良い印象を持っていなかった。でも、臨床医としては優秀なのだと思ったし、裁判の証人になれば、まともな見解を述べる...... [続きを読む]

受信: 2008年1月22日 (火) 21時49分

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