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2008年2月

2008年2月26日 (火)

三浦和義氏の逮捕と・・・

「エセ・ブラックジャックの正体 シリーズ」を期待されている読者も多いのですが、三浦和義氏の逮捕という事件が発生したため、また今回もお休み。次回以降にご期待。

1.三浦和義氏と二人のスーパー弁護士

このブログを一年以上前から閲覧されている読者であれば、弁護士の喜田村洋一先生と弘中惇一郎先生をご存知でしょう。(また、現場の刑事達にも有名です)何回か記事を書いてきました。

大野病院事件の傍聴メモができたのも「先生」のおかげ

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_ed65.html

『大野病院事件』初公判に向けてのエール『医療事故と検察批判』東京女子医大事件、血友病エイズ事件、両無罪判決より-

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/index.html 

喜田村先生は、最高裁大法廷に法廷メモの自由を認めさせた「レペタ裁判 」と同じ最高裁大法廷に「在外選挙権の制限は違憲」の判決をださせるなど、日本の民事裁判、刑事裁判の歴史、特に、数々の名誉毀損裁判の歴史を変えてきた方です。現在の名誉毀損裁判の判決で必ず引用される「スリーナイン(佐藤が命名)」= 平成9年9月9日最高裁判決や「配信サービスの抗弁」は日本では否定されることになった二つの最高裁判決等はその代表的な判決です。

「配信サービスの抗弁」バレンタインデーに全面的撤回」

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_3087.html

「勝訴 対 地方新聞社事件判決より」

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_7407.html

「共同通信の意見に対する反論と最高裁判決」

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_b9e8.html

この日本の名誉毀損裁判の歴史を作ってきた判決は、ほとんどが、三浦和義氏に対する報道に対するもので、弘中先生とご一緒のお仕事も多々ありました。

2.本人訴訟へ導いてくれたもの

 私は、三浦和義氏の「弁護士いらず」とう著作を読んで、名誉毀損裁判を起こすことにしました。特に、共同通信の配信する新聞社に対する提訴に関しては、一社に対して勝てば、ほとんど自動的に配信先の数十社にも勝訴する「配信サービスの抗弁」については、大変興味を持ちました。

 私の刑事事件に関連した報道をいろいろ検討して、喜田村先生、二関先生が担当弁護士としてお世話になる本格的な名誉毀損裁判の他に、全くのド素人の私が、一人で民事裁判を提訴し、相手弁護士団とやりあう本人訴訟も始めることとになりました。本人訴訟に関する本はあまり多くありませんので、大抵のものに目を通しましたが、ことに名誉毀損裁判における本人訴訟に関しては、三浦さんの「弁護士いらず」に勝るものはありません。私は、この本を繰り返し読み、三色のラインマーカー、数種類のPost itで、ぼろぼろになっています。

3.三浦和義氏と

 喜田村先生とは関係なく、ひょんなことから、三浦氏と直接お話する機会を得ました。三浦さんからは、約20kgの名誉毀損裁判に関する書籍といくつかの裁判で必要になった全ての書類のファイルと「甲 第 号証」「正本」「副本」という「シャチハタの印鑑」を貸してくれました。この印鑑は、弁護士会館でも販売されていますが、500を超える名誉毀損裁判で勝訴してきたシャチハタということで、ご利益がありそうなので、ぼろぼろになってきていましたが、愛用させていただいています。フジテレビに対して勝訴したときも、いの一番で三浦さんからメールをいただきました。

 三浦さんは人権運動、特に受刑者に対する非人権的な当局の対処に対しても活動されていました。70歳を超えた、末期がんの疼痛で苦しむ無期懲役の受刑者が、刑務所内で満足な医療を受けられていない件につき相談されたことがあります。彼にも医師の知り合いは沢山いたと思いますが、監獄内(牛込警察署留置所と東京拘置所だけですが)の医療事情の現実に知識があるという理由で私に相談がきたのでしょう。もちろん無償で、献身的な活動をされていたと思います。

 今回の事件は、またも、日本の刑事事件裁判の歴史に残るものとなるでしょう。日本で最高裁判決で無罪になった30年近くも前の同刑事事件を、米国のある州の警察が逮捕したというのですから馬鹿にしています。

 今回の件に関して、喜田村先生と弘中先生が再び席を並べて記者会見されましたが、あくまで元弁護人です。喜田村先生は、アメリカの裁判事情や法律にも大変お詳しい方ですが、弁護士の資格を持っているのは、「日本」と「ニューヨーク」です。残念ながら、カリフォルニア州の弁護士の資格は持っていなかったと思います。

 三浦さんは私との会話の中でいっていました。「最初、弁護士さんは最低でも合格率2%の司法試験を通ってきた人達だから、みな頭がいいのではないかと思っていましたが、そうではないことがよく分かりました。裁判等で関連した弁護士は500人を越えると思いますが、その中のトップが、喜田村先生と弘中先生。この二人が他の弁護士と比較して卓越しているのは、創造力ですね。」

3.三浦氏と鈴木宗男氏と

 2002年8月。東京拘置所新北舎4階。この階は、他にはない雰囲気がありました。独居ばかりで、スーツが部屋にかかっていたり、英語を話す外国人が多かったり、小説家、某有名物産社社員がいる様子。オウム真理教N被告が風呂に向かってフラフラ歩いていたり。・・・。ある部屋では、やや年配の髪が余り濃くない親父が、ランニングとステテコ姿で胡坐をかいて、いつも廊下の窓に背中を向けて(これは違反で本当は横顔が見えるように、正座または安座しなくてはならない)何かを一生懸命読んでいた。これが宗男氏であったことが分かったのは、偶然点呼があるときに私の面会者がきて、廊下を歩いている時に、宗男氏も点呼に答えるため廊下側に赤ら顔を向けなくてはならなかったからだ。私は一回目の保釈申請で1500万円で、地方裁判所が決定を出したが、起訴状を書いた検事の準抗告でひっくり返って、1500万円の現金をタクシーで輸送した妻は事実泣く泣く帰宅した。この準抗告の書面を受け取ったときの受け取り確認の母音を自分の名前の欄に押したがその隣には、「鈴木宗男」さんの名前もあった。「彼も保釈されなかったのか。」私は、その後2000万円の保釈金(もちろん父や妻の親戚その他に借金)で釈放されたが、私より前から拘束されていた宗男氏はさらに保釈が遅れた。

 宗男氏は刑事起訴され一審判決は、有罪だった。三浦さんがいうには、「宗男さんは国会議員のくせして世間知らずだよ。だって、一審の時の宗男さんの弁護人はみんな「ヤメ検」弁護士だったんですよ。「ヤメ検」は弁護士といってもしょせんは「検事」。検事は一回なったら一生検事なんですよ。だから僕は○○先生を紹介してあげたんですよ。二審は逆転するかもしれませんよ。」

 鈴木宗男被告あす(2月26日)控訴審判決-だそうです。結果はどうであれ、○○弁護士さんは明日記者会見するかもしれません。

 

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2008年2月13日 (水)

配信サービスの抗弁」バレンタインデーに全面的撤回

 「エセ・ブラックジャックの正体 シリーズ」は今回はお休み。次回以降にご期待。

 ところで、各方面のブログや、新聞社(毎日、朝日、静岡新聞、北海道新聞等)の社説でも、あれだけ盛りあがっていた「配信サービスの抗弁」ですが、2月14日に行われる控訴審(東京高等裁判所第24民事部)の口頭弁論期日における、控訴人 新聞3社の準備書面では以下のような記述があります。

「控訴人3社は、控訴審における誤解をさけるためにも、原審において主張した、いわゆる『配信サービスの抗弁』の主張を全面的に撤回したことを申し添える。」

 ということで、最高裁判決に逆らうのはもうやめて、新しい話しで、闘おうという方針のようです。

「誤信相当性の抗弁が成立するか否かについて考察すべき『責任主体』は、記事の真実性について責任を負うべき配信記事を執筆した共同通信の記者(場合によってはあわせて共同通信社の編集デスク)であって、それ以外の誰も出もない」とか、

「(クレジットについて)そもそも、不法行為責任を問うべき『責任主体』として同一性があるか否か、記事執筆者に誤信相当性が認められる場合の他に『責任主体』が不法行為責任を免れるか否かは、不法行為に関与した『責任主体』間の行為分担内容や態様、それらの関連性など実質的な関係に注目して判断されるべきことであって、紙面にクレジットの表示があるか否かという表面的形式的な現象により左右されるべきことではない。」といった主張のようですが、あまりパンチ力がない抗弁のような気がするのは、私だけでしょうか。

 改めて、この「配信サービスの抗弁」についてのブログを読み直すと興味深いです。医療界、出版界、法曹界他、通常のブログでも評価が高い論客はそれなりの意見を書いています。

「共同通信の意見に対する反論と最高裁判決」

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_b9e8.html

勝訴 対 地方新聞社事件判決より

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_7407.html

「新小児科医のつぶやき」Yosyan 先生 2007-12-04 強弁に聞こえます

http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071204

Lohas Medical Blog 川口恭さん 新聞にも勝訴したようです。大変な判決かも

http://lohasmedical.jp/blog/2007/09/post_852.php

へなちょこ内科医の日記(当直日誌兼絶望日誌)へなちょこ内科医先生[電波]配信サービスの抗弁

http://d.hatena.ne.jp/physician/20071212/p1

Kisslegg’s blog 配信サービスの抗弁など図々しい

http://pub.ne.jp/kisslegg/?entry_id=943049

思うに、けだし、判例同旨 しーぷっくさん 裁判官の意図。

http://cbookcbook.blog103.fc2.com/blog-entry-86.html

「今日手にいれたもの」pyonkichi先生 紫色の顔の友達を助けたい先生、名誉毀損勝訴!

http://blog.so-net.ne.jp/kyouteniiretamono/2007-09-19

Saturday afternoon snorita さん ほーどーのじゆー 

[考える。]  

http://blog.so-net.ne.jp/spring-has-come/2007-09-19

伊藤高史のページ 伊藤高史さん 驚きの判決:名誉毀損訴訟で通信社は勝訴、新聞社だけ敗訴

http://takashiito.cocolog-nifty.com/takashiitoh/2007/09/post_82b0.html

「やぶ医者のつぶやき」~健康、病気なし、医者いらずを目指して Dr. I 名誉毀損で医師が勝訴!

http://blog.m3.com/yabuishitubuyaki/20070919/1 

Power to 1 2007 CONSADOLE SAPPORO OFFICIAL BLOG 配信サービスの抗弁

http://www.consadole.net/cudos/monthly/200709

親子で乗り越えよう!中学受験! まげざえもんの日記 通信社配信記事判決 -静岡新聞9/27付社説より-

http://plaza.rakuten.co.jp/gotofutaba/diary/200709280001/

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2008年2月 7日 (木)

「エセ・ブラックジャック」の正体 自ら「本件における中立な証言を述べられる価値なし」

0・エセ・ブラックジャックの命名

  執筆予定の、「2.エセ・ブラックジャックと学会と経歴詐称」で。

1.検察官の「異議申し立て棄却」の名場面

「検察官の異議申し立ては棄却! 第5回控訴審自ら報告」http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/5_de20.html

では、「検察官の異議申し立ては棄却」とされた場面を紹介しましたが、弁護人と検察官と裁判官のやりとりが続く場面は別にも多くあり「異議棄却!」はこの場面だけでは、なかったことが分かりました。私も傍聴人としてメモを取っていた訳でなく、記憶のみに頼っていたのですが、こんな痛快で、面白い場面が複数あったとは。後ほどその場面を紹介します。いままで、私の50回以上行われた公判では、弁護人と検察官と裁判長が入り乱れて論争する場面はなく、せいぜい技士証人尋問で、弁護人が、「今のは誘導です。」といって検察官が頭を掻いて尋問を撤回したくらい。映画では、よくあるのかもしれませんが、弁護人と検察官の言い合いで、弁護人が勝つのを見ているのは、痛快。

問題の場面は、

「弁護人

本速記録末尾添付の判例時報1875号(=控訴審弁護側証拠第9号)を示す((http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/5_de20.html に出てくる。)

これは,当審弁護人請求証拠番号9の判例時報1875号の抜粋の写しです。横浜地裁の平成16年8,月4日という判決ですけれども,判決がその次のページにありまして,その前に四角で囲った解説の。

―ここで検察官が「ちょっと待った」といった感じでと立ち上がる。この場面で異議を唱えるということは、この証拠を絶対に見てほしくはないといっているのと同じ。食い下がれば食い下がるほど、これが強調される。検察官は、「これは絶対に見てほしくない証拠なんだー」とだだをこねているのと同じ。余計に目立ってしまう。ー

検察官

弁護人は,それはどういう要件のもとにお示しになろうとしているんでしょうか。

―前回のブログでは「要件」→「立証」と記憶違い。ワンランク下の用語か。-

裁判長

申請されている分でしょう。

弁護人

はい。申請しています。

検察官

しかし,申請されている証拠と言えども規則に従えば一定の要件を備えない限りは。

裁判長

いや,いいですよ。示してください。

―いいぞ裁判長!と心の中の声-

弁護人

まずこれを確認しますから。

裁判長

確認するんですね。

検察官

同一性の確認というごとでしょうか。

弁護人

まず同一性の確認。

検察官

しかし,同一性の確認というのは,それは,本人が作成したものかあるいは本人が何らか関与したものでなければ,そういう同一性の確認というのはできないはずです。

  -この辺りは前回ブログはほとんど正確。-

裁判長

本人が載っているかどうかでいいです。確認してください。

弁護人

だからそれを今確認します。

  -検察官が潔く無い態度で何か、グジグジ言っている。-

裁判長

検察官,異議なんですか。

検察官

異議です。

裁判長

弁護人の御意見は。

弁護人

何の異議ですか。

裁判長

示すことについての異議。

検察官

要件を満たしていないというふうに考えました

喜田村弁護人

ここに記載されている被告が証人であるということを明らかにするために示すものであり,異議は理由がないと。

裁判長(威厳をもって)

異議は棄却します。

弁護人

「被告」として「甲野太郎」という仮名になっていますけれども,これは証人のことですか。

(以下、青字は証人)これがどのような形でこういった文書になっているのか,側面に「判例時報」というふうに書いてあるわけですけれども,実際にこれが甲野太郎というふうになっている。

裁判長(張り切って説明している)

それは仮名処理されているんですよ。

ええ。いや,ですからこれはこの判例時報をお書きになられた方に聞けばすぐ分かることではないでしょうか。

弁護人

それはそれで結構ですが,その事件は,勤務医が自分の勤めている病院の医療過誤により死亡した元患者の遺族に協力したために解雇されたと発言したため,病院がこの勤務医を名誉毀損で訴えたんですね。

はい。

判決では,この勤務医が無断で他の病院でアルバイトしたりベンツの供与を受けていることが発覚したために退職を求められ,本人もこれを了承して退職したと認定し,勤務医の発言は真実ではなく真実と信じるについて相当の理由もないとして名誉毀損の成立を認めたと,そういう判決なんですが,ごくごく概略を説明いたしましたが,そのことと横浜地裁で平成16年の84日の判決であるといったこと,そのことを考えて,そこに記載されている被告というのはあなたのことですか。

その仮名処理というには裁判長おっしゃるとおりそれなりの理由があると思うんですけれども,そもそも私のような一般の人間が裁判にかかわって証言するにおいて,被告人だけでなく証言する人間もそれなりに裁かれる,そのような面持ちを禁じ得ないのでありまして,

(―通常専門証人なら専門的な知識について答えれば、証人が裁かれていると感じることはないでしょう。もっともこの証人は、「陰圧吸引脱血法」については経験が全くないので、専門といえるかどうかという問題がありますがー)

本日も今日ここに向かうに至り,確かにS医師が被告人ではありますけれども,私自身も日ごろの行状を裁かれるというつもりでここの法廷には参っておりますけれども,

  (-刑事裁判では起訴されないと、裁かれないのですが、日ごろよっぽどの「行状」で罪を感じているのでしょうか。-)

また私もこれまで49年間人間として生きてきて,多くの間違いを犯し,その間違いに気付かずいまだに過ごしていることもあろうと思いますけれども,その間違いうんぬんそれぞれが,こういった形の裁判において,それぞれ白日の下にされていくべきものなのかということにつき,私個人の利益うんぬんを考えるのではなく,こういった裁判における証言者の立場というものをある種考える意味で,この判例時報の挙げられた甲野太郎が仮に私だとして,それが今まで私自身,一審それからこの控訴審において今回で4回目,1回に3時間以上何も持たず何もメモできず尋問され,

(-証人は何も持たず、メモもできないのはどの裁判でも常識です。弁護人なり、検察官なりは充分に練った尋問をするので、明確に、「はい」、「いいえ」、「これこれです」と答えればよいところ、長々意味の無いことを話すからそのようなことをいうのでしょう。―)

本日に至っては随分前のあなたこう言ったじゃないですか,これはどうですかと,いちいち私がまるで罪人のごとく,それはいいんですけれども,尋問される,そういったものに僕としては耐えてきたつもりなんですけれども,

-なんで専門証人が、専門家として意見をいうのに「耐える」と感じるのか。それは、いい加減な証言だからでしょうー

とにかくそういったことで証人の証言力に信憑性がないというそういう目的,弾劾証拠とでも言うのでしょうか,そういうことでこういったことをお出しになるのであれば,もっと最初の時点で,私がこの少なくとも控訴審においての時点でかかわる前に,本件における中立な証言を述べられる価値なしというふうな異議を申し立てていただければよかったのではないかなと思うんですけれども。

裁判長(-今にも泣き出しそうな表情を見てかー)

              弁護人もうその辺でよいでしょう。

証人自ら言っている「本件における中立な証言を述べられる価値なし」

については散々、意見書、答弁書に書いてきました。そもそも証人は、以下のように(平成19919日第3回公判では自信満々の口調で、自分が裁判所で証言する正当性を主張しています。

「弁護人

この3学会の報告書について,証人は,「言わば寡頭制に陥った組織の典型的習性で,ごくごく一部の幹部の人たちだけで行動して作ったものであって,学会員の総意としてオーソライズされたものではありません(証人検察調書そのまんま)」と,こういう御意見をお持ちなんですか。

          はい。持っております。みんなで学会員総意で決めたわけではありませんし,しかし,学会の性質上あるいは学会がこうやるんだという手続においては何ら合理的であろう,非合理的なところはないんでしょうね。これは,飽くまでも僕の個人的な感想であります。また学会というのは任意団体に過ぎません。医師であるということ以外に学会員でなければ心臓の手術をしてはいけないという決まりはありませんし,学会員であることによって特段の何らかのメリットがあるわけでもなければ,裁判所で証言するべきだ,するべきでないとのコンセンサスも,今,現場に私がここにいるように,いろんな方がいろんな意見を持つでしょうが,はっきりと少なくとも一般社会においての認識上,具体的ではないと思います

要するに,3学会の報告書について,証人は,それぞれの学会の一部の人たちだけが勝手に作ったものだと.,こういう個人的な見解をお持ちかということをお聞きしているんですが,そういうふうにお考えなんですか。

              任意団体が勝手に作ったものですから勝手に作ったという表現は成し得ると思いますし,自分自身がそのように思っておりますが,飽くまで個人的な見解ですけれども。

厚生労働省は,この3学会の報告書についてどういう態度をとっているかいないか御存じですか。

              全く知りません。

3学会の報告書で勧告等がなされていると思いますが,その内容については

覚えていますか。

  3学会の報告書の中にあったとにかく一字一句覚えているわけではないんですけれども。

内容を今おっしゃっていただくんじゃなくて,そういうものがあったといことは御記憶されていますか。

              その最後のほうにですね,記憶しております。

そういった内容について,厚生労働省がどういう対応をとっているのかということについては御存じですか。

              大変申し訳ありませんが全く知りません。」

2.付録

本速記録末尾添付の週刊医学界新聞を示す

これは,当審弁護人請求証拠番号8の週刊医学界新聞の抜粋の写しです。これも発言の有無の確認だけをいたします。医学書院というところからとった週刊医学界新聞というところですけれども,東京医科大学の方が証人巨という名前が出ている人に対してインタビューしていると,その結果が記載されているんですけれども,それの2ページ目を見ると,写真の下のところに発言が載っていて、証人が、この「手術室にゼニと名声が埋まっている」という発言をしたというふうな記載になっているんですけれども,証人御自身の発言ですか。

僕が発言したことになっていて,こういった形でパブリッシュされるということに僕自身が承諾したというのは事実です。

事実。

はい。

3.これも異議棄却だ!

本件では、10cmの空気が脱血管に混入した場面と約20cmの空気が脱血管に混入していずれも、人工心肺側に脱血されていった場面を看護婦さんが目撃している。そこに今度は、約60cmの空気が混入して、脱血管に停滞した場面を看護婦さんが目撃したという極めて具体的限定的な証言をしていた。これに対して証人はそのようなことは無い旨の話をして、これを弁護人に尋問されていた。

弁護人

・・・それでその空気はどこから来たのだと思いますかという質問をしたら,証人はですね,「60センチに至る前にエアトラップになってしまうと,さっき言いました10センチ,20センチくらいのところで脱血できなくなるので,それ以上,エアは引き込まなくなると思いますと,だから僕が思うに,60センチとかいうふうな量であるならば,下から来たんじゃないかというふうに思う」というふうに前回の68ページで言っているわけで,これは明らかに本件手術の話をしているわけですよ。だから60センチというのは…。

検察官

質問の途中ですが,前回の尋問調書を見ますと67ページのところに落差脱血であるならばという発言部分がありますが,それを無視して本件の吸引補助脱血についてそこを述べたものというふうな前提として追及されるのは若干誤りがあるのかなと。

(-何言ってんだこの検察官。本件は落差脱血ではなくて、陰圧吸引脱血法で行われていた。その具体的な場面について聞いているのに。落差の話は関係ないだろう。68ページで具体的に本件の話をしているのに、それ以前の関係ない一般論のところを持ち出している-)

裁判長

前提が付いているならそれを付けて正確に質問してください。

弁護人

陰圧吸引というのは落差プラス陰圧吸引で引いているわけですよ。ですから,落差でどうであろうと,落差は常に効いているわけで,それに対して陰圧吸引で引いているから多少の落差だけでは引けない空気も引けるようになるわけです。ですから,私が言っているここのところが正に本件手術のことについて証人が述べているわけですから,この部分について聞くのは当然の質問であります。

検察官

その前からあ続きの証言として出ておりますので,弁護人の質問に対して,証人は自分の意図と違うというやり取り,それを踏まえますと,証人にはその前からの発言部分を示した上で聞かなければ正確な証言は得られないと思います。

裁判長

いや,いいですよ。どうぞ,もう1度質問を繰り返してください。

弁護人

60センチに至る前にエアトラップになってしまうと,10センチ,20センチくらいのところで脱血できなく徐る…。

検察官.

ですから,その部分じゃなくて67ページ…。

弁護人

ですから,もうあなたの異議は棄却されたんですよ。

検察官

 (言葉は不明確だったが、棄却という言葉では言われていない旨ぶつぶついっている)

裁判長

弁護人,どうぞ。棄却というか,質問を続けていいということですから,どうぞ。

  (-実質上、棄却!-)

                        

4.こんな場面も

証人が得意の「あてずっぽう」で、証拠に関して独自の見解をしていることを弁護人に崩されていく場面。

検察官

もう,この辺りの尋問は主尋問の範囲を逸脱しておりますし,関連性もないものだと思われますので制限してください。

裁判長

いや,いいですよ。どうぞ。

-威厳がある感じの裁判長。ご立派。検察官ご苦労様―

とにかく検察官の異議はことごとく棄却されまくったのでした。

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2008年2月 1日 (金)

刑事控訴審続報の前に今日のフジテレビ控訴審

 今週来週は本人訴訟の嵐です。今週は、小学館控訴審(相手弁護士3人法務部3人)と今日のフジテレビ控訴審(原審弁護士3人助っ人弁護士1人(他の法律事務所で元判事のベテラン))、来週は集英社+毎日新聞社医療問題取材班訴訟があります。

フジテレビは、強制執行を申し立てて、75万円の担保を立てさせてまでねちっこくやっています。素人相手に大人げないなと思っていたところ、今度は、助っ人登場。相手は複数の法律事務所の4人となりました。これに向こうは法律事務所の秘書さんが沢山いますから羨ましい。こっちは、一人で、証拠集め、判例と法律専門書の読み込み、書面書き、印刷、推敲、再印刷、コピー(一回の書類提出で、軽く数百枚になる)、ハンコ押し、ファクシミリ、郵便、出廷、裁判官とやり取りしながら必要事項のメモ。これが二週間で3つあると結構大変ですよ。

 控訴理由書、答弁書、準備書面、附帯控訴状、陳述書、証拠説明書等の書き物で、睡眠時間が大幅に減少。2時間以内になると結構辛い。久しぶりに床に寝ました。「控訴趣意書の答弁書と準備書面と固い床」http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_55b3.htmlの「どうしても明日までに仕上げない書類の作成中に眠くなったら、医局の固い床のカーペットの上に寝ています。寝心地が悪いと直ぐに起きることができるからです。締め切りの近い学会の抄録や依頼原稿、学位論文もこの方法でやっていました。「眠らない」ためには、「眠りにくいところで寝る」ことが仕事を仕上げるのにはよいと思っています。」状態でした。

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