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2008年2月 7日 (木)

「エセ・ブラックジャック」の正体 自ら「本件における中立な証言を述べられる価値なし」

0・エセ・ブラックジャックの命名

  執筆予定の、「2.エセ・ブラックジャックと学会と経歴詐称」で。

1.検察官の「異議申し立て棄却」の名場面

「検察官の異議申し立ては棄却! 第5回控訴審自ら報告」http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/5_de20.html

では、「検察官の異議申し立ては棄却」とされた場面を紹介しましたが、弁護人と検察官と裁判官のやりとりが続く場面は別にも多くあり「異議棄却!」はこの場面だけでは、なかったことが分かりました。私も傍聴人としてメモを取っていた訳でなく、記憶のみに頼っていたのですが、こんな痛快で、面白い場面が複数あったとは。後ほどその場面を紹介します。いままで、私の50回以上行われた公判では、弁護人と検察官と裁判長が入り乱れて論争する場面はなく、せいぜい技士証人尋問で、弁護人が、「今のは誘導です。」といって検察官が頭を掻いて尋問を撤回したくらい。映画では、よくあるのかもしれませんが、弁護人と検察官の言い合いで、弁護人が勝つのを見ているのは、痛快。

問題の場面は、

「弁護人

本速記録末尾添付の判例時報1875号(=控訴審弁護側証拠第9号)を示す((http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/5_de20.html に出てくる。)

これは,当審弁護人請求証拠番号9の判例時報1875号の抜粋の写しです。横浜地裁の平成16年8,月4日という判決ですけれども,判決がその次のページにありまして,その前に四角で囲った解説の。

―ここで検察官が「ちょっと待った」といった感じでと立ち上がる。この場面で異議を唱えるということは、この証拠を絶対に見てほしくはないといっているのと同じ。食い下がれば食い下がるほど、これが強調される。検察官は、「これは絶対に見てほしくない証拠なんだー」とだだをこねているのと同じ。余計に目立ってしまう。ー

検察官

弁護人は,それはどういう要件のもとにお示しになろうとしているんでしょうか。

―前回のブログでは「要件」→「立証」と記憶違い。ワンランク下の用語か。-

裁判長

申請されている分でしょう。

弁護人

はい。申請しています。

検察官

しかし,申請されている証拠と言えども規則に従えば一定の要件を備えない限りは。

裁判長

いや,いいですよ。示してください。

―いいぞ裁判長!と心の中の声-

弁護人

まずこれを確認しますから。

裁判長

確認するんですね。

検察官

同一性の確認というごとでしょうか。

弁護人

まず同一性の確認。

検察官

しかし,同一性の確認というのは,それは,本人が作成したものかあるいは本人が何らか関与したものでなければ,そういう同一性の確認というのはできないはずです。

  -この辺りは前回ブログはほとんど正確。-

裁判長

本人が載っているかどうかでいいです。確認してください。

弁護人

だからそれを今確認します。

  -検察官が潔く無い態度で何か、グジグジ言っている。-

裁判長

検察官,異議なんですか。

検察官

異議です。

裁判長

弁護人の御意見は。

弁護人

何の異議ですか。

裁判長

示すことについての異議。

検察官

要件を満たしていないというふうに考えました

喜田村弁護人

ここに記載されている被告が証人であるということを明らかにするために示すものであり,異議は理由がないと。

裁判長(威厳をもって)

異議は棄却します。

弁護人

「被告」として「甲野太郎」という仮名になっていますけれども,これは証人のことですか。

(以下、青字は証人)これがどのような形でこういった文書になっているのか,側面に「判例時報」というふうに書いてあるわけですけれども,実際にこれが甲野太郎というふうになっている。

裁判長(張り切って説明している)

それは仮名処理されているんですよ。

ええ。いや,ですからこれはこの判例時報をお書きになられた方に聞けばすぐ分かることではないでしょうか。

弁護人

それはそれで結構ですが,その事件は,勤務医が自分の勤めている病院の医療過誤により死亡した元患者の遺族に協力したために解雇されたと発言したため,病院がこの勤務医を名誉毀損で訴えたんですね。

はい。

判決では,この勤務医が無断で他の病院でアルバイトしたりベンツの供与を受けていることが発覚したために退職を求められ,本人もこれを了承して退職したと認定し,勤務医の発言は真実ではなく真実と信じるについて相当の理由もないとして名誉毀損の成立を認めたと,そういう判決なんですが,ごくごく概略を説明いたしましたが,そのことと横浜地裁で平成16年の84日の判決であるといったこと,そのことを考えて,そこに記載されている被告というのはあなたのことですか。

その仮名処理というには裁判長おっしゃるとおりそれなりの理由があると思うんですけれども,そもそも私のような一般の人間が裁判にかかわって証言するにおいて,被告人だけでなく証言する人間もそれなりに裁かれる,そのような面持ちを禁じ得ないのでありまして,

(―通常専門証人なら専門的な知識について答えれば、証人が裁かれていると感じることはないでしょう。もっともこの証人は、「陰圧吸引脱血法」については経験が全くないので、専門といえるかどうかという問題がありますがー)

本日も今日ここに向かうに至り,確かにS医師が被告人ではありますけれども,私自身も日ごろの行状を裁かれるというつもりでここの法廷には参っておりますけれども,

  (-刑事裁判では起訴されないと、裁かれないのですが、日ごろよっぽどの「行状」で罪を感じているのでしょうか。-)

また私もこれまで49年間人間として生きてきて,多くの間違いを犯し,その間違いに気付かずいまだに過ごしていることもあろうと思いますけれども,その間違いうんぬんそれぞれが,こういった形の裁判において,それぞれ白日の下にされていくべきものなのかということにつき,私個人の利益うんぬんを考えるのではなく,こういった裁判における証言者の立場というものをある種考える意味で,この判例時報の挙げられた甲野太郎が仮に私だとして,それが今まで私自身,一審それからこの控訴審において今回で4回目,1回に3時間以上何も持たず何もメモできず尋問され,

(-証人は何も持たず、メモもできないのはどの裁判でも常識です。弁護人なり、検察官なりは充分に練った尋問をするので、明確に、「はい」、「いいえ」、「これこれです」と答えればよいところ、長々意味の無いことを話すからそのようなことをいうのでしょう。―)

本日に至っては随分前のあなたこう言ったじゃないですか,これはどうですかと,いちいち私がまるで罪人のごとく,それはいいんですけれども,尋問される,そういったものに僕としては耐えてきたつもりなんですけれども,

-なんで専門証人が、専門家として意見をいうのに「耐える」と感じるのか。それは、いい加減な証言だからでしょうー

とにかくそういったことで証人の証言力に信憑性がないというそういう目的,弾劾証拠とでも言うのでしょうか,そういうことでこういったことをお出しになるのであれば,もっと最初の時点で,私がこの少なくとも控訴審においての時点でかかわる前に,本件における中立な証言を述べられる価値なしというふうな異議を申し立てていただければよかったのではないかなと思うんですけれども。

裁判長(-今にも泣き出しそうな表情を見てかー)

              弁護人もうその辺でよいでしょう。

証人自ら言っている「本件における中立な証言を述べられる価値なし」

については散々、意見書、答弁書に書いてきました。そもそも証人は、以下のように(平成19919日第3回公判では自信満々の口調で、自分が裁判所で証言する正当性を主張しています。

「弁護人

この3学会の報告書について,証人は,「言わば寡頭制に陥った組織の典型的習性で,ごくごく一部の幹部の人たちだけで行動して作ったものであって,学会員の総意としてオーソライズされたものではありません(証人検察調書そのまんま)」と,こういう御意見をお持ちなんですか。

          はい。持っております。みんなで学会員総意で決めたわけではありませんし,しかし,学会の性質上あるいは学会がこうやるんだという手続においては何ら合理的であろう,非合理的なところはないんでしょうね。これは,飽くまでも僕の個人的な感想であります。また学会というのは任意団体に過ぎません。医師であるということ以外に学会員でなければ心臓の手術をしてはいけないという決まりはありませんし,学会員であることによって特段の何らかのメリットがあるわけでもなければ,裁判所で証言するべきだ,するべきでないとのコンセンサスも,今,現場に私がここにいるように,いろんな方がいろんな意見を持つでしょうが,はっきりと少なくとも一般社会においての認識上,具体的ではないと思います

要するに,3学会の報告書について,証人は,それぞれの学会の一部の人たちだけが勝手に作ったものだと.,こういう個人的な見解をお持ちかということをお聞きしているんですが,そういうふうにお考えなんですか。

              任意団体が勝手に作ったものですから勝手に作ったという表現は成し得ると思いますし,自分自身がそのように思っておりますが,飽くまで個人的な見解ですけれども。

厚生労働省は,この3学会の報告書についてどういう態度をとっているかいないか御存じですか。

              全く知りません。

3学会の報告書で勧告等がなされていると思いますが,その内容については

覚えていますか。

  3学会の報告書の中にあったとにかく一字一句覚えているわけではないんですけれども。

内容を今おっしゃっていただくんじゃなくて,そういうものがあったといことは御記憶されていますか。

              その最後のほうにですね,記憶しております。

そういった内容について,厚生労働省がどういう対応をとっているのかということについては御存じですか。

              大変申し訳ありませんが全く知りません。」

2.付録

本速記録末尾添付の週刊医学界新聞を示す

これは,当審弁護人請求証拠番号8の週刊医学界新聞の抜粋の写しです。これも発言の有無の確認だけをいたします。医学書院というところからとった週刊医学界新聞というところですけれども,東京医科大学の方が証人巨という名前が出ている人に対してインタビューしていると,その結果が記載されているんですけれども,それの2ページ目を見ると,写真の下のところに発言が載っていて、証人が、この「手術室にゼニと名声が埋まっている」という発言をしたというふうな記載になっているんですけれども,証人御自身の発言ですか。

僕が発言したことになっていて,こういった形でパブリッシュされるということに僕自身が承諾したというのは事実です。

事実。

はい。

3.これも異議棄却だ!

本件では、10cmの空気が脱血管に混入した場面と約20cmの空気が脱血管に混入していずれも、人工心肺側に脱血されていった場面を看護婦さんが目撃している。そこに今度は、約60cmの空気が混入して、脱血管に停滞した場面を看護婦さんが目撃したという極めて具体的限定的な証言をしていた。これに対して証人はそのようなことは無い旨の話をして、これを弁護人に尋問されていた。

弁護人

・・・それでその空気はどこから来たのだと思いますかという質問をしたら,証人はですね,「60センチに至る前にエアトラップになってしまうと,さっき言いました10センチ,20センチくらいのところで脱血できなくなるので,それ以上,エアは引き込まなくなると思いますと,だから僕が思うに,60センチとかいうふうな量であるならば,下から来たんじゃないかというふうに思う」というふうに前回の68ページで言っているわけで,これは明らかに本件手術の話をしているわけですよ。だから60センチというのは…。

検察官

質問の途中ですが,前回の尋問調書を見ますと67ページのところに落差脱血であるならばという発言部分がありますが,それを無視して本件の吸引補助脱血についてそこを述べたものというふうな前提として追及されるのは若干誤りがあるのかなと。

(-何言ってんだこの検察官。本件は落差脱血ではなくて、陰圧吸引脱血法で行われていた。その具体的な場面について聞いているのに。落差の話は関係ないだろう。68ページで具体的に本件の話をしているのに、それ以前の関係ない一般論のところを持ち出している-)

裁判長

前提が付いているならそれを付けて正確に質問してください。

弁護人

陰圧吸引というのは落差プラス陰圧吸引で引いているわけですよ。ですから,落差でどうであろうと,落差は常に効いているわけで,それに対して陰圧吸引で引いているから多少の落差だけでは引けない空気も引けるようになるわけです。ですから,私が言っているここのところが正に本件手術のことについて証人が述べているわけですから,この部分について聞くのは当然の質問であります。

検察官

その前からあ続きの証言として出ておりますので,弁護人の質問に対して,証人は自分の意図と違うというやり取り,それを踏まえますと,証人にはその前からの発言部分を示した上で聞かなければ正確な証言は得られないと思います。

裁判長

いや,いいですよ。どうぞ,もう1度質問を繰り返してください。

弁護人

60センチに至る前にエアトラップになってしまうと,10センチ,20センチくらいのところで脱血できなく徐る…。

検察官.

ですから,その部分じゃなくて67ページ…。

弁護人

ですから,もうあなたの異議は棄却されたんですよ。

検察官

 (言葉は不明確だったが、棄却という言葉では言われていない旨ぶつぶついっている)

裁判長

弁護人,どうぞ。棄却というか,質問を続けていいということですから,どうぞ。

  (-実質上、棄却!-)

                        

4.こんな場面も

証人が得意の「あてずっぽう」で、証拠に関して独自の見解をしていることを弁護人に崩されていく場面。

検察官

もう,この辺りの尋問は主尋問の範囲を逸脱しておりますし,関連性もないものだと思われますので制限してください。

裁判長

いや,いいですよ。どうぞ。

-威厳がある感じの裁判長。ご立派。検察官ご苦労様―

とにかく検察官の異議はことごとく棄却されまくったのでした。

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コメント

http://www.linkstaff.co.jp/sns/manga/manga04/index.html
で連載されています。売名行為に反吐が出ました。

ところで、心研での強姦事件、落ちるところまで落ちてしまいましたね。

投稿: 似非BJの漫画 | 2008年2月20日 (水) 21時12分

似非BJの漫画先生
 最低ですね。この人の活動の基本は売名行為とお金ですから。
 心研の事件も最低ですが。

投稿: 紫色の顔の友達を助けたい | 2008年2月27日 (水) 21時49分

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