「たった一人」-被告人の関係者以外の傍聴人
昨日、控訴審刑事 第8回公判がありました。検察側証人尋問が終了したため、今回は弁護側証人尋問でした。
検察側の証人が、心臓外科の世界では「いろもの」(『いろもの』に負けられるか!http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_3432.html )とされている医師等であったのに対して、弁護側はわが国の小児心臓外科の至宝というべき優秀な医師にお願いしました。難症例に対する外科医としての能力、経験する手術の複雑さや症例数、世界的学術論文の発表、学会における欧米一流心臓外科医とのコミュニケーション能力は素晴らしく、彼が日本で最難関の医学部を卒業し、当時日本一の小児心臓手術症例数であった女子医大で初期研修を受け、世界最大の米国心臓外科施設で小児心臓外科臨床経験した後、さらに全米最大の小児病院でも小児心臓外科の臨床を経験したという経歴に裏付けされた以上のものがあります。たいした外科医でもないのに、メディアに登場して自己宣伝するような医師がいる中、学会等でも自己ピーアルするような発言もしたことがありません。鷹は爪を隠す。外科医として冷静であるとともに朗らかで人に優しく自分に厳しい。「心臓外科医として必要なものを全て持っている」と女子医大の教授が絶賛していたのを、お世辞として聞いている人はいなかったでしょう。ついでにいえば、男からみてもスタイル、ルックスが大変よいスポーツマン。ここまで来ると、嫉妬する人も出てきそうですが、それよりもさらに人柄が素晴らしいため、彼の悪口を言う人は誰もいません。
そのような、「絵になる人」が証言台に立ってくださったのですが、いつも20人近くいる傍聴席はガラーンとしていました。気が付くと、私の妻、叔母夫婦以外は、見知らぬ初老の男性がたった一人。その後、もう1人中年の男性が入ってきましたがこの人も居眠りしていました。裁判で真相が知りたいとか、最高の専門家の見解を聞こういう事件関係者、ジャーナリスはいなかったということだったのでしょうか。
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