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2008年8月20日 (水)

大野病院事件 無罪判決 前夜、当日、シンポジウム

「大野病院事件」加藤克彦先生の無罪。よかったという表現になってします。
おめでとうとはいいにくい。
私は、初公判では運良く抽選にあたり傍聴記を書きましたが、(「速報 大野病院初公判傍聴記」http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_ace1.html)今日も傍聴席に座ろうと抽選に参加しました。800人近い一般傍聴希望者に対して席は25。私の整理番号434のところ、433,438が選ばれて傍聴はならなかった。
裁判所の構造はわかっていた。「僻地の産婦人科医」先生とともに、ずんずん入っていって、第一法廷の脇の廊下で無罪を聞いた。
階段を降りるときは、当然以外の感想以外なかったが、テレビ局のカメラがごった返す裁判所出口の医師達へ伝えたところ、目にな涙が浮かぶ。
私のこの裁判に対する思いは、昨日8月19日の日経メディカル オンラインの記事になっているので、参照いただきたい。

判決直後には、私を含めた応援に来ていた医師ら、数々のメディアの取材を受けていた。
ここで、メディアに私がお話してことは、上記、日経メディカルオンラインと
その直後におこなわれた、シンポジウム「福島大野病院事件が産科医療にもたらした影響を考える」の発言で何とかお伝えできたのではないかと思います。
とりあえず、8月19日無罪判決前日の日経メディカルオンラインの記事と、シンポジウムで発表した原稿、レジュメを公開します。
##見出し
特集●ついに判決 福島・大野病院事件 vol.2
「警察は不当逮捕が地域医療の崩壊を招いた事実を認識すべき」
綾瀬循環器病院心臓血管外科 佐藤 一樹氏に聞く
##リード
 心臓手術を受けた女児が死亡した東京女子医大事件で、当時助手だった佐藤一樹氏は人工心肺装置の操作を誤ったとして逮捕・勾留され、捜査機関の厳しい取り調べを受けた。2005年11月には無罪判決を受けてその疑いは晴れたが、起訴されてから無罪判決が出されるまでに3年もの長い年月がかかり、多くの犠牲を払った。佐藤氏の体験は、福島県立大野病院事件の被告である加藤克彦氏が置かれた立場と重なる部分が少なくない。佐藤氏は、今回の事件をどのように見ているのだろうか。
##本文
――福島まで足を運び、今回の事件の第1回公判を傍聴されたそうですが。
佐藤 加藤医師は事故の発生から1年以上たった時点で逮捕されましたが、私は公判前整理の進行の段階までの情報で、これも不当逮捕だという思いを強くしました。こうした不当な逮捕を受けて勾留された経験を、東京女子医大事件で私もしており、加藤医師の気持ちを実感として理解し、法廷で応援できるのは私しかいないと考えたのです。
 裁判に臨むに当たって加藤医師は、かなり不安だったと思います。そこで、私は公判の休憩時間に被告弁護士にお願いして、事前に用意していた手紙を加藤医師に渡してもらいました。また、機会を改めて励ましの言葉だけでなく、被告人質問に対する対応の仕方や気持ちの持ち方など、私の体験を通じたアドバイスも伝えました。少しでも加藤医師の不安を和らげることができればと思ったのです。
――加藤医師は不当に逮捕されたとする理由はどこにあるのでしょうか。
佐藤 刑事訴訟法上、捜査機関が被疑者や参考人を通常逮捕・勾留できる理由は、①住所不定であること、②証拠隠滅の恐れがあること、③逃亡の恐れがあること――の3つがあります。加藤医師は、臨月の奥さんと暮らしていたのですから①③は絶対にあり得ません。また、事故の発生から逮捕まで相当の期間があり、それまでに県の事故調査委員会の報告は終了し、警察はカルテの押収や関係者などへの取り調べを行っていたので、加藤医師が証拠を隠滅する恐れがあったとは到底思えません。実際の理由は、捜査機関が、加藤医師を拘束して自白を強要することだったと推測されます。
 実は、捜査実務方法を解説した検察向けの教科書には、「裏付け資料が不十分でも社会的な影響が大きい事件は立件して捜査を遂げる」という記述があるのです。「社会的な問題」となるのは、例えばメディアの報道で事件への社会的関心が高まった場合などです。大野病院事件では、捜査機関がどのような意図で逮捕に至ったか真相は定かではありませんが、本来立件するのは難しいこの事件をどうしても成立させるために、自白調書が必要になったのではないでしょうか。
 私の場合も、メディア報道などで事故が社会問題化し、6ヶ月間も任意取調べ期間があり、関係者への捜査も十分に進んでいたにもかかわらず、関係者と連絡を取り合って口裏合わせをする可能性があるという理由で不当に逮捕されました。「証拠隠滅の恐れ」という逮捕要件は非常に漠然としている上、裁判所も捜査機関からの逮捕令状請求のほとんどを詳細検討することなく許可しているのが現状で、どう考えてもおかしい。こうした状況は、法改正などをしなくても現行法の下で改善できることです。医療界は今回の大野病院事件を機に、今のままでは不当な逮捕が増える危険性があることをもっと訴えなければいけないと思います。
 一方、捜査機関は、今回の不当逮捕により地域医療を崩壊させたことをしっかり認識すべきです。加藤医師は大野病院の産婦人科を1人で担っていました。それが、逮捕により産科医が1人もいなくなり、その後も医師の補充がされず、ついには大野病院の産婦人科は実質廃止に追い込まれました。この被害を最も受けているのは、その地域の多くの患者さんです。これは、とても大きな問題です。
――逮捕されると、医師に対する捜査機関の対応は変わるのでしょうか。
佐藤 全く違います。私の場合、当初は参考人という立場で任意に取り調べを受けていて、捜査機関は私を「佐藤先生」と呼んで多少は紳士的に接していました。それが、逮捕以降は「佐藤」「おまえ」と呼び捨てするようになり、検察の取り調べに至っては連日、朝から深夜まで行われ日付けが変わることもざらでした。供述調書については、私が悪いことをしたという前提で、あらかじめ決まった方向で捜査機関が文章を作成していく。さらに、調書の修正を依頼しても「供述調書は捜査官が作成するものだ」と、先ず応じてくれません。
 おそらく加藤医師も、私と同じ立場に置かれたことでしょう。任意段階でも逮捕以降も、取り調べを受ける際は、納得のいかない調書であれば署名・押印をしないといった慎重さが大切になるのですが、捜査機関の取り調べは精神的・肉体的にも予想以上に厳しく、ついつい捜査機関の意図に沿った調書に署名・押印し、「自白調書」が作成されてしまうこともあり得ます。加藤医師は公判開始後、供述内容を一部翻したと検察は主張していますが、取り調べ時に心理的に追い込まれて、自身の意図とは異なる調書に署名・押印をしてしまった可能性があります
――8月20日に判決が下されますが、もし加藤医師が有罪となったら、医療界にどんな影響が出ると思いますか。
佐藤 産科医療の崩壊がさらに進むのは確実でしょう。そして、将来は基幹病院でしか分娩できなくなるほか、癒着胎盤の患者さんは全員、子宮を摘出しなければならなくなるかもしれない。
裁判官は、公判中に同意された証拠だけを元に判決を言い渡します。その点、検察側に有利な証拠として加藤医師の供述調書があるのは不安な点ですが、これだけ社会的な関心が高まると、裁判官は世論を無視して有罪判決を下せるでしょうか。
――大野病院事件を機に、医療の刑事免責を求める声が高まっています。
佐藤 医療行為や医師の刑事免責を議論する際には、言葉の定義が非常に重要になると思っています。医療行為といっても様々なものがあり、医師にかかる犯罪の種類も多岐にわたる。そんな中でただ単に免責を主張するのは、「医療行為や医師のすべてを免責しろ」と言っているように取られかねない。これでは、世間には受け入れられないでしょう。
私は、医学的な適応や医術的な正当性を背景にした「正当な治療行為」を、業務上過失致死罪として認めるのは問題があると考えています。加藤医師のケースもこれに当たり、当然無罪となるべきです。今後、免責を求めていくのであれば、この点を明確にすべきなのではないでしょうか。そのためにも、多くの医師が法律の背景や理論を身に付ける必要があると思っています。

2008/8/20 シンポジウム レジュメ
①福島大野病院事件が産科医療にもたらした影響を考える
正当な治療行為を行った医師を逮捕勾留するな
綾瀬循環器病院 心臓血管外科
東京女子医大心臓手術事件 被告人
(大野病院事件 初公判 傍聴報告者)
佐藤一樹

②大野病院事件:直接的即時的影響
・「一人医長」逮捕・勾留
・大野病院産科 ⇒実質的廃止
・福島県双葉郡大熊町近隣地区⇒地域産科医療崩壊
 ⇒医療、医師人権が軽んじらた証拠
  逮捕請求:捜査機関 ⇒ 裁判官の令状
 (警察・検察)   (許可状)
  勾留請求:検察官  ⇒ 裁判官の処分   
                                (命令状)
 実際には、勾留の方が問題。(逮捕前置主義)

③大野病院事件:間接的波及的影響
 産婦人科医の『正当な治療行為』⇒逮捕・起訴
 ・日本全国産科医療崩壊⇒決定的増幅
 ・“立ち去り型サボタージュ”の拡大
 ⇒小児救急、小児科、救命救急科、外科・・・
 ⇔医療だけをやってきた医師達
  ⇒社会構成員としての覚醒
  ⇒医師達からの医療政策への意見発信開始         
④医師側の主張:医療刑事訴訟への不満
・過失の構成要件の類型化が不明慮:
   「何すると罪か」が事前に定まっていない
・結果⇒遡及的結果回避義務の指摘:
   後出しジャンケン
・恣意的証拠の取捨選択:客観的証拠文献の不同意
   訴訟戦略上の「卑怯な証拠隠し」
・刑事処分の再発防止は機能不全:
   萎縮医療の誘発
・真の原因究明の阻害
   医学発展の停滞 etc.  ⇒「免責」の主張

⑤安易な免責主張の問題点:免責と犯罪
・免責:法律上、責任を免れること
・犯罪:構成要件に該当する、違法かつ有責な行為

 構成要件該当:犯罪類型に当てはまること
  刑法条文⇒メニューの各料理の名称「きつねうどん」
  構成要件⇒メニューから観念される各料理のイメージ

⑥免責主張の問題点:免責の対象
・医師免責?   犯罪は「行為」
・刑事免責?   意味不明   
・医療免責?   意味不明 
・医療行為免責? 適応外手術(不要子宮摘出術)
 ⇒法曹界、メディアに使い回されて批判される
・業務上過失致死罪 第3項新設案:
       第2項交通事故=「刑の免除」*
         *免除は免責でない
・救急救命行為に限定?
                    
⑦免責主張の問題点:免除と免責の相違点
免除:「罪」はある、「刑」はない
 構成要件に該当し、違法かつ有責であって、
 犯罪は成立するが、刑は科さない

 犯罪:構成要件に該当する、違法かつ有責な行為
 免責:法律上、責任を免れること

⑧免責主張の問題点:医療行為と治療行為
・治療行為⇒医学的正当性
    医学的適応性:手術が行われるべきか否か
   医術的正当性:どのように行われるべきか
・治療行為傷害説-刑法学者の見解
  ⇒日本では、治療行為が傷害として争われた
   刑事訴訟判例なし

⑨免責主張の問題点:過失論
旧過失論:結果無価値論型-主観的要件
  ・予見可能性中心←注意義務違反
  ・刑法学で再び優勢(若い学者)
新過失論:行為無価値論型-客観的要件
  ・客観的に要請される注意を尽くした場合 
   ⇒構成要件該当性否定される⇒犯罪不成立
  ・(医師に)遵守が要求させる行動基準想定

⑩免責主張の問題点:ガイドラインは?
・客観的注意義務の類型化: 
  過失の不法構成要件の内容の具体化
・学会等の作成したガイドライン:
  遵守規定?
  実際の臨床の多様性に対応不可能?

  
⑪免責主張の問題点:「許された危険」
・科学技術発展にともなう危険な行為は、文明生活維持に不可欠
 旧過失論⇒危険行為の結果が悪ければ、事実上絶対的責任を科す
⇔日常生活麻痺、文明の逆行
   ⇒行政上・民事上格別の考慮を払う
   ⇒刑法上「免責」
 「許された危険」 
  ⇒日本の医療刑事裁判で過去に判例なし

⑫免責主張の問題点:「信頼の原則」
・チーム医療:
 危険行為分担、相互の相手方の行為の
「信頼を前提」に持ち場の回避義務を行った
  ⇒免責
・北大電気メス事件
  日本でも「免責」判例あり
・ヤメケン:飯田英男氏、医療事故調座長:前田雅英氏
  「信頼の原則」を否定する論文、専門書あり

⑬免責主張の問題点:「緊急避難」
・現在の危険を避けるために、やむを得ずにした行為は、条件つきで、罰しない
・業務上特別の義務があるものには、適応しない。

⑭免責主張の問題点:刑法再検討
今後の医療界と法曹界の相互理解
 団藤重光 「刑法綱要総論 第三版」 1990年
「 friendly-hostile co-operation:
 友好的―敵対的な共働こそが客観的な科学的認識を発展させるために必要不可欠なことであるが、知識社会学者をもって自認する人達がこのことをほとんど無視していいることを慨嘆する。 」
  団藤重光:元最高裁判所判事、東京大学名誉教授34年目、 日本の刑事法学最高の重鎮

⑮現行法:現実的・切迫的視点からの主張
・捜査機関は、
  直接的・即時的に医療を崩壊させるな
・正当な医療行為を行った医師を逮捕するな
・正当な医療行為を行った医師を勾留するな

  業務上過失致死罪に関する免責
   ⇒巨視的・長期的視点からの主張

⑯正当医療行為を行った医師を逮捕するな
逮捕:身体自由の拘束、抑留。
  留置3日。送致48時間以内
・令状主義(憲法第33条)
   逮捕状:裁判官が発布「逮捕状は許可状」
・逮捕請求:警察、検察
 疎明資料提出:立証証拠必要なし
   立証証拠なし、同意なし、実質出し放題
   裁判官の主体性なしー警察検察のいいなり
   刑事訴訟法規則第43条の3:逮捕状の却下

⑰正当治療行為を行った医師を勾留するな
勾留:拘禁する裁判および執行-強制処分
・勾留請求: 検察官
・勾留状発布:裁判官⇒「勾留状は命令状」
・勾留目的: 逃亡、証拠隠滅の防止
・実体要件:
  ◎罪を犯したことを疑うに足る相当な理由
  ①住所不定②証拠隠滅のおそれ③逃亡のおそれ
・勾留質問: 形式的形骸的。数分。
       充分に捜査資料を検討する間もない。

⑱医療刑事裁判:逮捕・勾留理由はない
 逮捕日になっての証拠隠滅はあり得ない
  ・事故調査委員会終了
    診療録の改ざんは不可能
  ・任意捜査進行中
   充分な捜査期間
    参考人、第三者の取調べ済み
  ・具体的な隠滅の類型が存在しない
    罪刑法定主義に反する

⑲逮捕・勾留:実質上の刑罰の執行
 「勾留は8番目の刑罰」
  ・執行も読み方も“拘留”と同じ
   ・勾留の方が“拘留”より長期のことが多い
 勾留日数
     実刑になると本刑に算入される 刑訴495 刑21
 勾留の目的
   「出頭確保、証拠隠滅防止」
   「有罪判決に備えてその執行を確保する」
   最高裁判所判決 昭和25年3月30日
     拘留=自由刑:1~30日、留置所又は拘置所

⑳逮捕・勾留の本当の・理由・目的・意義
理由:任意捜査段階で被疑者否認
目的:身柄拘束による「自白供述調書」作成    
 「取調室の心理学」-無実の人間の自供述調書は捜査官が作成(被疑者は署名押印)
意義:“証拠の女王”⇔憲法第38条:形骸化
  冤罪の温床
  ⇔「正当な治療行為で冤罪にならないために」

21.判検交流とは
・判事と検事の人事交流=職場で同僚になる 
  検察官が裁判所に異動して裁判官を務める
  裁判官が検察に異動して検察官を務める
・刑事事件合議制裁判官3人⇒2人が検察官(実例)

22.裁判官への伝言:団藤重光博士より
「刑法綱要総論 初版」1957年
 「刑罰権といった国家権力の発動がでたらめなものにならないように、するためには、あらゆる恣意を封じなければならない。
 罪刑法定主義はその立法的なあらわれであるが、微動もしない正確な理論構成への要請も、これとうらはらをなすものだといってよい。」
 
刑事訴訟法:昭和23年7月10日 施行。
団藤重光博士:戦後の刑事訴訟法の執筆者。新過失論。死刑廃止論者。
       東大時代の最後の直接の教え子達が、現在裁判長クラス。
23.結語
・加藤医師の逮捕は不当逮捕
  正当な治療行為-無罪
・捜査機関の謙抑
   直接的・即時的医療崩壊の反省
・現行法上での現実的・切迫的視点からの主張
  正当医療行為を行った医師を逮捕・勾留するな
・巨視的・長期的視点からの主張
  正当な医療行為と過失の刑法上の再検討

以上

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コメント

待っていた日でした。
期待を裏切らない判決でした。
が、空虚な気分です。

それにしても○ン○イさんは学習能力というものが無いのですかねぇ。
あ、無いからいまだに珍説刷れるんだ。
忘れていました。

投稿: たまたま酸化医 | 2008年8月21日 (木) 18時33分

こんにちは。先生のblogを参照させていただき、TBもさせていただきました。差し支えがあるようでしたらお教えください。

投稿: snorita | 2008年8月24日 (日) 16時15分

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» 気をつけて読む・聞く。 [**Saturday Afternoon]
*ちょっと考えてみる。くどくどごめん。 お暇な方のみどうぞ。 読みにくい構成でまことに、もうしわけないです。 [続きを読む]

受信: 2008年8月24日 (日) 16時11分

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