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2008年12月24日 (水)

一粒の麦:控訴審:最終陳述

2008年のクリスマスイブで私の刑事事件控訴審は結審しました。

結審とは、弁護側の最終弁論が終了したことを意味します。

一審では、一般的にこの最終弁論の後に被告人の陳述があります。

控訴審では基本的に被告人の陳述がありません。

しかし、当審裁判長は、被告人自身に検察側証人に対して、尋問することを提案されました。そのことから、結審に際して、被告人に対して陳述を求めることがあるかもしれないと推測して、準備をしました。

 結局、型のごとく、被告人の陳述は、なしとういことになりました。

ここに、幻の控訴審最終陳述を掲載します。

控訴審:最終陳述

2008年12月24日

 

はじめに、手術で亡くなりました、明香さんのご冥福をお祈りしたします。

患者さんが医療事故で亡くなったことは大変悲しいことです。

しかし、私たちは、地に落ちた一粒の麦[i]を実らせなくてはなりません。

心研の心臓外科医や日本の心臓外科専門学会と関係省庁、心臓外科医療機器の会社はこのような事故が二度と起こらないように、情報や知識を涵養し、原因を解明し主に3つの具体的な対処をしてきました。

   東京女子医大の人工心肺を用いた小児心臓外科手術では、全てに上大静脈圧のモニターを行うようになりました。

   私の陳述書にも紹介させていただきましたメドトロニック社では、先端が手術方法や各症例の特徴に対応するために、術野で、自由自在に先端の長さや角度を変えられる脱血管を発売しました。

   日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会の作成した報告書をもとに、厚生労働省は、陰圧ラインにフィルターを装着しないことを勧告しました。

臨床医療における反省は、現場に従事する専門家が科学的に行うべきす。

しかし、非専門家の東京女子医大幹部が行ったことは、大学病院側の責任を逃れるためだけの内部報告書の作成、特定機能病院取り下げを回避するための裏工作、この事件を顧みずにおこなった報道による病院宣伝でした。

警察官や検察官の行ったことは、医学的、物理学的、工学的な背景、知識もなく、科学的な論理展開もないものです。

判決に当たりましては、この事故の真相が明らかになるようお願い申しあげます。


[i] 一粒の麦-新約聖書からとった都立西高校の「学友歌」に出てきます。オリジナルは「ヨハネ伝」「一粒の麦、地に落ちて死なずば、ただ一つにてありなん。もし死なば果を結ぶべし。おのが生命を愛するものは、これを失い、この世にてその生命を憎むものは、これ保ちて、とこしえの生命に至るべし。」⇒西高学友歌「地に落ちよ一粒の麦、実れ我が命の枝に」

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