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2009年3月28日 (土)

無罪判決:100%完勝

完勝です。被告人の主張を100%認めました。亡くなった患者さんには心からご冥福をお祈りするとともに、本判決をもって亡くなった理由が明らかになったことをご報告いたします。虚偽の内部調査報告書を作成した女子医大幹部は、患者さんに改めて謝罪すべきです。

 裁判長は近い将来最高裁裁判官になると予想されているエリートです。おかしな判決文を書くはずがありません。

 本件事件の「死因究明」から言える「再発防止案」は、2009年3月10日のブログ「刑事事件 控訴審判決」で全て述べたように

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-f9b7.html

「3.本件手術の反省から

この9歳の女児が手術事故で亡くなったこと反省として、心臓外科医が発信しなくてはならないことに、以下の3つがあります。

1.MICS(第二肋骨までの部分縦切開)で、SVCの直接カニュレーションは、行わない。⇒奇静脈等への誤挿入や、術中位置異常が発生し、SVC症候群を惹起する可能性があります。(どうしても行わなくてはならない理由がある場合は、上大静脈の中心静脈圧モニターをしなくてはならない。(2009年3月30日追加)

2.人工心肺の完全体外循環(トータルバイパス)中に脱血不良が発生して、脱血管の位置修正などを行っても改善しない場合は、上下大静脈の両方のテープを緩めて確実にパーシャルバイパスにして、吸引回し(サクション回し)を行う。

⇒下大静脈のみをパーシャルバイパスにして上大静脈をトータルバイパスにした場合、特に脱血管をクランプしてしまうと、上半身に送血したものがうっ血してしまいます。

3.陰圧吸引回路は滅菌された新しい回路を設置し、フィルターを設置しない。貯血槽には、圧力モニターと陽圧防止弁を設置する。

⇒すでに、日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会が厚生労働省と通じて勧告しています。

陰圧吸引補助脱血体外循環に関する勧告

http://square.umin.ac.jp/jats/ja/public/topic/rep030311.html

2度と本件のような事故が発生しないために、上記、再発防止策を重視するべきです。」

ということです。

このことを含めて、この秋 横浜パシフィコで開催される

62回日本胸部外科学会学術総会(会長:慶應義塾大学心臓血管外科四津良平教授)

「医療安全講習会」で講師を会長直々に指名していただきました。謹んでお受けいたしました。

(第1日の10月11日(日)の午前中11時~正午までの予定)

http://www2.convention.co.jp/62jats/japanese/program.html

最後に、応援してくださった全ての方に感謝申し上げます。

この日本で今後今回のような狂った内部報告書が作成され、医師が常務上過失致死で起訴されることがないよう、医師の側でも、自立しまた自律性をもってよりよい社会を形成したいものです。

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コメント

まずは安堵いたしました。この判決が確定することを心底願っております。

この8年間の先生の論考に感服しております。これらが広く世に知られ、医療、司法、メディアの改善につながりますように。

投稿: 吉田J | 2009年3月28日 (土) 15時08分

本当におめでとうございます。
先生だからこそ、長い戦いを勝ち抜けたと思います。

高裁判決文をupしています。
http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/28624180.html
http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/28632920.html

マスコミ報道ではわからない『事実』を
多くの方々に知って貰おうと思っています。

投稿: うろうろドクター | 2009年3月28日 (土) 15時52分

おめでとうございます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Portal:%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E3%81%A8%E5%8C%BB%E7%99%82
でも取り上げられています。

投稿: | 2009年3月28日 (土) 17時47分

おめでとうございます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Portal:%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E3%81%A8%E5%8C%BB%E7%99%82
でも取り上げられています。

投稿: | 2009年3月28日 (土) 17時47分

おめでとうございます。
正常な方(中山氏)が正常な審判をしただけなんですがね。
焚くだけ焚いてあとはしらんぷりなメディアが多いですが、私の地域の地方紙では裏一面1/4位で取り上げていました。
おつかれさまでした。

投稿: まだまだ産科医 | 2009年3月28日 (土) 20時17分

無罪判決、心よりお喜び申し上げます。心ゆくまで故御尊父の墓前にいらしてください。
旅先のホテルで知り一言お伝えしたかったのですが遅くなりました。

投稿: 雪の夜道 | 2009年3月30日 (月) 19時24分

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» 東京女子医科大学事件、高裁判決文です。(その2) [うろうろドクター]
{{{: (3)結論  以上のとおり、人工心肺回路内が陽圧の状態になったことによる脱血不能の状態が、被害者に致命的な脳障害を発生させる原因になったと認定するのには疑いを抱かせる事情があり、他方で、とりわけ上大静脈からの脱血が慢性的に良くなく、被害者の頭部に鬱血を生じさせたことを窺わせる事情が多数存するのであって、これらの事情を総合すると、本件においては、被害者は、上大静脈に挿入した脱血カニューレの位置不良があり、上大静脈の脱血不良が長時間にわたって継続した..... [続きを読む]

受信: 2009年3月28日 (土) 15時52分

» 東京女子医科大学事件、高裁判決文です。(その1) [うろうろドクター]
{{{: 主文:本件控訴を棄却する。 理由の要旨:控訴を申し出た検察官の控訴の趣意は、事実誤認の主張である。 第1 本件公訴事実と原判決 1 本件公訴事実(骨子)  平成13年3月2日に東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所(以下「心研」という)で行われた、「被害者」(当時12歳)の心房中隔欠損症及び肺動脈弁狭窄症の根治術に際し、手術チームの一員として人工心肺装置の操作を担当した被告人(当時心研循環器小児外科医師)が、手術チームの事前申し合わせに反し、脱血方法を、落差脱血法..... [続きを読む]

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