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2009年3月27日 (金)

「目に見える権力」への怒りと「目に見えない権力」の恐怖の8年間と正義感のある方々への感謝

控訴審判決を迎えるに当たり

「この8年間はどのような8年間でしたか。」と取材を受けました。

「目に見える権力」への怒りと「目に見えない権力」の恐怖が、常に心の中から離れることがなかった8年間。

「目に見える権力」とは以下二人の人間をはじめとした女子医大幹部です。

 一人目。東間 紘女子医大元病院長 現牛久総合病院院長(泌尿器科医)。「科学的でない、根拠のない結論を書いた内部調査報告書の責任者です。

今回、「否定された内部報告書ー『ルポ 医療事故』朝日新書

 http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-fe25.html 

において、実地検分と内部報告書の作成がいかにでたらめなものであったかが、私の口以外からはじめて活字となって、暴露されました。

 二人目。黒澤博身 女子医大現心臓血管外科教授(3月31日退官、あと4日)。

特定機能病院の認可を取り消されないために、「はじめから内部報告書は誤っている」と分かっていたのにこれがマスメディアにバレないように、パワーハラスメントを使ってまで私を陥れました。「白い巨塔」の財前五郎など相手にならないほどの、悪業を平然と行う人間が存在することに私自身が驚愕するとともに、憎悪しました。詳細は、「公開質問状」http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/cat6216890/index.html 「日経メディカル 2008年7月号」http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/files/200807.pdfにあります。

 この二人の悪をさらに絶対に許せないことは、NHKのテレビ番組を利用して門間和夫前循環器小児科教授を陥れ、自分達が英雄気取りになっていたことです。門間先生は、現在でも鎌倉のご実家から心研の実験室に通われている物静かな学者肌で、これら二人の権力志向の医師とは無縁の生涯学徒です。外国の学会で業者にゴルフ接待強要したり診療をサボって、小金井カントリー倶楽部でゴルフして連絡がつかない」ような診療姿勢とは正反対で、私達が徹夜でICU管理した重症の赤ちゃんや子供達全員を毎朝の6時前に一人で回診にやってきて、我々の労をねぎらいながら子供を診る名医が門間先生でした。

 NHKのテレビ放送では、その門間先生を医師からみると言いがかりとしか思えない「術後重症になったのに渡航移植を勧めなかった」ということが、さも、旧体制が恥部で、それを摘発して謝罪させた新体制の旗頭が我々だといわんばかりの内容でした。全国の循環器小児科医、循環器小児外科医が、憤慨しています。

見えない権力とは「警察」「検察」といった国家権力です。

 「内部報告書はうそが多い」ということは、私を逮捕した時点で、メディアに語っていいた警察。同僚に真夜中に私が打ったメール「私と弁護士さんと一緒に会えないか。」の数時間後の手術室に入る前の朝8時にその同僚に「佐藤の弁護士には会わないように」と電話してきた警察。「これだけ社会問題になると、誰かが悪者にならなきゃいけないんだー。」と泣き叫んだ警察。これらの意志決定が誰によっておこなわれたのかわからないのが権力組織。

 さらに、警察なりには勉強して、「内部報告書はうそ」という結論に達したのに対し、自分達では、資料を集めて勉強しなかった「検察」。起訴した時点では、「内部報告書」のうそを見抜けず起訴してしまった「検察」。その誤りに気づいて「訴因変更」までしたのに、まだ根本的には全然わかってないため女子医大手術室の「検証実験」で思い通りの結果をだせなかった「検察」。「DC」を「DC ビート」と書いてしまい、女子医大の「圧の不等式」をひっそり捨てて「量の不等式」に書き換えたけれどまだ間違っている「検察」。証人に学会の理事レベルを呼ぼうとしたが内容が誤っていたため断られた「検察」まともな心臓外科医全てに拒否され、陰圧吸引法を一回も使用したことがなく、胸骨部分(第二肋間)縦切開で手術をしたことがない学会員でもない、関東50人の心臓外科で死亡率がベスト3に入るような人間を選んだ「検察」ビデオ撮影のために手術した糸を故意に切って吻合をやりなおした患者が死亡したことを法廷で尋問されるのを避けようと必死になっていた「検察」

 これらの検察官は、毎年変わっていき、責任者が誰かまったくわからない。立証のためならニュートン力学なんのその、大学病院の薬事法違反さておき、患者さんの真の死因など興味はないという姿勢は、誰ではなく「検察」権力そのものの体制。

感謝

妻。

 わけのわからない理由で犯人として責任を押し付けた大学、夫を目の前で逮捕して連行し家宅捜索という名のもとに家庭内に入り込んで、所持品をめちゃくちゃにかき回して物をもっていった上、面会できない日曜日に面会させると嘘をついて千葉の奥から東京に呼びだし事情聴取しようとした警察やしつこく追い回すメディアや隠し撮りしたテレビ局に対してもしっかり立ち回ってくれました。逮捕直後3週間は証拠隠滅の可能性という具体性の欠けた理由で面会謝絶されましたが、毎日手紙をファクシミリで弁護士さんに送ってくれたので、毎日接見にきてくれた弁護士さんが、透明のアクリル板越しに読むことができました。その後は、40度の発熱があろうが、暴力団関係者といっしょの待合室が息苦しい留置所や拘置所に毎日面会にきてくれました。手紙を毎日くれました。

なんとか借金や両親の遺産をくずして用意した現金1500万円の保釈金を検察の準抗告でひっくりかえされ泣く泣くタクシーで持ち帰って、さらに2000万円になったので、借金に奔走してくれました。裁判所で、患者さんの家族から理不尽な行為をされても耐えてくれました。公判は息子の出産の時以外は全て傍聴に来てくれました。・・まだまだ書ききれないことがいっぱいです。

喜田村洋一先生 (主任弁護人)

 感謝。尊敬。凄すぎる。沢山の医師とその後沢山の法曹界の人間を知るようになりましたがその中でも頭のよさと人間としての素晴らしさは圧倒的で、主任弁護人でありながら、感謝、尊敬を超えて大ファンになってしまいました。お仕事が終わった午前5時に電話をいただき、弱気になった私を激励してくださいました。

後に、場所をあらため、再度感謝申しあげます。

二関辰郎先生 (弁護人)

 高校で席を隣にしたクラスメートにして、酔っ払って星を眺めて将来を語りあった友人。

事件報道直後に電話したときから何もかも助けてもらいました。今晩中に語りつくせません。西高だからこそ、妻をも直接ケアしてもらうこともできました。

 瀬尾先生のその後の惨劇と私を比較して、二関先生が同級生だったことが、いかに幸せだったかということを実感します。また、あらためて。

国立循環器病センター研究部 人工臓器室(体外循環) 室長 西中知博先生

榊原記念秒医原記念病院小児心臓外科医長 安藤 誠先生。

心研同期の友人として、逮捕直後に妻を探し出して励ましてくれました。そして、二人とも女子医大からの干渉の危険性にもかかわらず、専門証人として法廷に立ってくれました。その正義感の強さと人間性は、医療者としての優秀さ以上に尊敬できるものです。

無職になった私のために同僚の他の医師とともに、心研外科同門会やOBに「カンパ」を呼びかけてくれましたが、黒澤教授に阻止されてしまいました。それにもかかわらず、遠いところ複数回にわたり留置所、拘置所に面会にきてくれて、差し入れしてくれました。ドイツの出張の帰りに成田から小菅拘置所に直行してくれた西中先生、夏休みを削って、沢山本を買い込んで差し入れしてくれた安藤先生を面会で遮断された板を壊して手を握りたいと思ったものです。

西中先生は、オックスフォード大学留学中にもかかわらず、黒澤教授の存在も無視して法廷で証言するためだけにイギリスから1週間帰国してくれました。体外循環の専門家として、ヨーロッパや北米を行ったりきたりする仕事の真っ最中でもありました。人間性のすばらしさでは西中安藤両先生と全く同じレベルかそれ以上に献身的な京都大学医学博士工学博士の築谷朋典先生を紹介していただき、4人が一度に会して実験にも付き合ってもらいました。弁護士さんとの会議にも何回も出席してもらい、メールのやりとりも1000以上だったはずです。

安藤先生は、日本で有数の小児心臓外科医で、学会のフロアーで世界のトップサージャンとまともに渡り合える数少ない優秀な医師ですが、スケジュールもいっぱいのところ、8年間絶え間なく助けてくれました。弁護士さんとの会議出席も手術を終えた直後に駆けつけてくれること30回以上はあったと思います。全ての警察調書、検察調書、証拠、公判調書、尋問予定事項、弁論に目を通し、コメントをくれました。読んでいただいたものは、メールも含めると5000枚以上だったと思います。莫大な時間と労力だったはずです。京都大学医学部のサッカー部ではなく、本ちゃんの体育会のサッカー部でならした体力と根性といっても、榊原記念病院での診療と学会活動に加えての会議参加、コメント作成は物凄いものがありました。控訴審は、段取りの悪い検察や、若い判事の素人以下の尋問が遷延したため、3回もの公判に出廷いただきました。実験にも最後までおつき合いただきました。

故常本實先生

 私を手術していただいた上、小児心臓外科に導いてくれました。結婚式でもスピーチをいただき、学会でもお世話になった上、励ましをいただきました。

 一審無罪判決に亡くなりを直接ご報告できず残念です。

他、時間の関係で、簡単にお名前

拘置所、留置所に面会にきたくださった方々、磯松幸尚現横浜市立大学准教授、新岡俊治現エール大学教授、押富 隆長崎大学助手、栗原寿夫京都桂病院心臓血管外科部長、都立西高バレー部の仲間達、山梨医科大学の仲間達、担当弁護士ではないのにボランティアで面会にきてくださった横山哲夫先生、希代先生そして、弟、妻の姉弟、母方の姉妹。

警察、検察取調べ調書で、最後まで、「悪いのは術野」だと最後まで言い続けてくれた心研循環器小児外科諸兄、教授。法廷で専門家としての医師、工学博士、技士として証言された方々、看護婦さん。無職になった私にカンパしようとしてくれた心研同期。

3学会委員関連 

 古瀬彰先生、高本眞一先生、許俊鋭先生、四津良平先生、坂本 徹先生、先生方の勇気と正義感に。又吉 徹先生、見目恭一先生、

患者さんのご家族の情報までも流してくれた裁判所書記官

横暴な刑事から守ってくれた行政警察員、拘置所で、「こりゃ無罪の可能性高いな」と励ましてくれた所長や看守さん、留置されてくさい飯をたべながらいろいろ教えてくれた被拘留者達

小菅拘置所にいるときから就職の話をもってきてくれた、現綾瀬循環器病院丁 栄市理事長、すこしでも給料を増やしてといろいろ工夫してくれた上、診療に穴を開けることに目をつぶってくれた丁 毅文院長、他の医師、技士、看護師、補助看護師、事務員、クラーク、清掃員ほかスタッフ。

私の事件を知りながら、応援してくれた患者さんとそのご家族、私の手術を受けて大きくなっていく子供達

訴訟や大野病院事件を契機に新しく知り合った多くの医師、法曹界、学者、マスメディアの記者さん。

そして、最後に故父佐藤和夫

 心配をかけました。年金生活の中から貯金を崩して、弁護費用や保釈金をいただき、迷惑ばかりかけました。留置所や拘置所に面会、裁判所での傍聴は、70後半の弱った足にはつらかったと思います。おまけに、控訴審が長引く中病に倒れ、自分が主治医となりましたが、心肺停止から365日で亡くなりました。助けることができず、残念です。亡くなるまで、妊娠出産で傍聴に来られなかった妻がいないときも全ての裁判を傍聴され、根底での精神の支えになっていただきました。判決確定までなんとか診療を続けたかったのですが、かないませんでした。

無罪だったら明日、お墓参りにいきます。30年ぶりにいっしょになれた母と伴に安らかにお眠りください。

 

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コメント

8年もの長い間大変でしたね。無罪を確信しております。かげながら応援しております。

投稿: 修行僧 | 2009年3月27日 (金) 04時04分

オカルトを信じる気はありませんが、今日ばかりは必死に念を送ります。
無罪!無罪!無罪!無罪!無罪!無罪!無罪!無罪!無罪!無罪!

投稿: bamboo | 2009年3月27日 (金) 11時02分

無罪判決だそうですね。長い間本当によく闘われました。これ以上検察が悪足搔きしないことを願います。

投稿: 山口(産婦人科) | 2009年3月27日 (金) 14時59分

当然の事ながら無罪でしたね。とはいえ、控訴判決まで長かったですね。検察は上告しないでしょう。お疲れ様でした。

投稿: 元外科医 | 2009年3月27日 (金) 15時05分

速報で第二審の判決を知りました.
貴重な時間を費やしたこと,心中察するに余ります.
検察の控訴断念と判決確定を願っております.

投稿: Blue Crab | 2009年3月27日 (金) 17時22分

二審も無罪判決ですね。信じてました。検察が控訴しなければよろしいのですが。お体に気をつけて、ご自愛ください。

投稿: 南島の管屋 | 2009年3月27日 (金) 17時29分

無罪判決、おめでとうございます。この場合に「おめでとう」が妥当かどうかには
若干の疑問を感じますが、ほかのよい表現も思いつかず、これで通させていただきます。

多数になるであろうのコメント公開処理を増やしてしまってすみません。

投稿: cobonzu | 2009年3月27日 (金) 17時44分

報道みました。弁護側主張が完全に認められた判決だと思います。完全勝利ですね。
ふつう権力は、事実に反していても法を破っていても関係なし。
いままで隠し通されてきた検察の失敗と誤謬が天下に晒されたよい判決でした。
今回の失態から検察が反省すれば良いのですが、これは政権交代でもなければ無理でしょうね。
この8年間は無駄では無かったと思えるよう今後の御活躍をお祈り申しあげます。

投稿: 地方の開業医 | 2009年3月27日 (金) 19時19分

いつも、記事を拝見していました。無罪判決おめでとうございます。

投稿: 神経内科勤務医 | 2009年3月27日 (金) 21時45分

無罪判決、おめでとうございます。
まだ確定ではないのかもしれませんが、実質は決まりでしょう。
本当にお疲れ様でした。

お父様も喜んでくれるでしょうね。

投稿: Dr. I | 2009年3月27日 (金) 23時14分

控訴審無罪判決おめでとうございます。 こころよりお喜び申しあげます。 
    やぶい  http://blog.livedoor.jp/iryokaisetsu/

投稿: やぶい | 2009年3月27日 (金) 23時15分

先生、ご苦労様でした。ゆっくりお休み下さい。医師の妻として、夫や夫の仕事を信じ続けられた奥様にも、敬意を表します。当然の判決ですが、やっぱりほっとしました。

投稿: snorita | 2009年3月27日 (金) 23時16分

無罪判決、おめでとうございます。
このまま確定することを祈っています。

投稿: bamboo | 2009年3月28日 (土) 05時16分

無罪判決、おめでとうございます。

「勤務医 開業つれづれ日記」中間管理職です。

奥さまや他の方のご事情を読ませていただき、涙です。
8年間、本当にご苦労様でした。
このまま確定することを祈っております。


投稿: 中間管理職 | 2009年3月28日 (土) 08時46分

今朝、新聞で先生のお顔の写真を涙で濡らしてしまいました。
長くお辛いお気持ち、察するにあまりあります。
けれど知った時から応援させて戴いておりました。
ご家族と先生の団欒の日々を願っていました。
万感の気持ちでおります。

投稿: エビ | 2009年3月28日 (土) 09時08分

8年間もの間、ご苦労様でした。
初めて、先生のブログを拝見させていただきましたが、思わず涙が出そうになりました。
本当に、おめでとうございます。

投稿: 通りすがり | 2009年3月28日 (土) 10時48分

かげながら応援させて頂いておりました。本当にお疲れ様です。

投稿: | 2009年3月28日 (土) 13時22分

西高40期 山梨医大10期(サッカー部)の関です。
おめでとうございます。かげながら応援しておりました。
肩の力を抜いて、自分の道を貫いてください。

投稿: 後輩 | 2009年3月28日 (土) 13時25分

無罪判決,本当に良かったと思います
おつかれさまでした

投稿: nagare.anes | 2009年3月29日 (日) 07時11分

はじめまして。無罪お疲れ様でした。私は、先生が大変な思いをされ、『病院が
「特定機能」消されるぞ。』とやらで、大騒ぎになっていた頃、同じかの病院で
、三年目の勤務医でした。医局がボロボロの1号館で、机がバス通りの窓際にあ
ったものですから、心研の入口でのマスコミの取材攻勢スゴさを鮮烈に記憶して
おります。先生にとって「目に見える権力者」の一人であったであろう当時の病
院長でした教室のI教授のイライラぶりも.....。
また私自身も心研によく病棟往診行きましたが、はっきり言って先生方の圧迫感
が強くて、苦手でした。私のような部外者がどうこう言えた分際ではありません
が、当時を苦笑して戴きたくて、お書きしました。乱文失礼しました。

投稿: skyhigh | 2009年3月29日 (日) 12時30分

無罪判決おめでとうございます。
ここに辿りつかれるまでのご苦労や心痛や察するに余りあるものかと。

本当にお疲れさまでした。

投稿: doctor-d | 2009年3月30日 (月) 16時52分

Rossの子の本当の死因を調べたほうが良いんんじゃないですかね。
先生は本当の所を把握していないですよ。

投稿: ASD | 2009年4月 8日 (水) 22時47分

興味があれば告発しますよ。
しかしながら心研がつぶれかねません。
また、ECCの事故は起こりました。
隠しています。

投稿: ASD | 2009年4月 8日 (水) 22時51分

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