二審も勝訴!毎日新聞記者らの破廉恥な和解案
二審判決文は一審の理由をさらに増強
昨日の2009年7月15日、私が、『医療事故がとまらない』(集英社新書)を執筆した江刺正嘉記者、渡辺英寿記者、花谷寿人記者(毎日新聞医療問題取材班)他2名の計5人の記者5人と集英社を名誉毀損で本人訴訟で訴えていた民事裁判(被告代理人:高木佳子弁護士、古谷誠弁護士)で東京高等裁判所は、2008年12月8日の東京地裁判決が私の訴えを認め、記者らに80万円の支払いを言い渡した判決を支持して、控訴および附帯控訴を棄却しました。すなわち、私の勝訴です。
この裁判の一審については、当ブログ
2008年12月5日 「医療事故がとまらない」毎日新聞医療問題取材班⇒「一粒で二度美味しい」を許すな! http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-2352.html
2008年12月8日 勝訴!対集英社および毎日新聞記者ら本人訴訟-名誉毀損賠償80万円ー第1報 http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/80-8d13.html
2008年12月12日 100万円基準を500万円基準にー名誉毀損裁判 損害賠償額ー http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/100500-205d.html
で紹介しました。
被告側、敗訴を予想して和解案提出
二審は、一審以後に私が追加した証拠が判決文に追加されてより判決理由が増強されています。
相手側二審が結審した直後。和解を望んできました。6月10日が判決日だったのを引き伸ばされました。
その和解案とは極めてずうずうしいものでした。
毎日新聞記者ら側の和解案
「tokyo_kosai_wakai_ann.pdf」をダウンロード
「1.控訴人らは、本件書籍において、本件事故の原因として後の刑事事件の控訴審判決が認定した事実と異なる記述が存在すること及び被控訴人が無罪を主張していた事実について言及がないことを認め、これにより被控訴人が不快の念を抱いたことについて遺憾の意を表明する。また、控訴人らは、被控訴人の刑事裁判における被控訴人の主張に関する取材が不十分だったという被控訴人の見解を真摯に受け止め、今後の取材・編集活動に生かすべく努める。
2.被控訴人は、本件書籍執毎及び発行の目的が、医療事故における組織的・制度的な問題の究明にあり、被控訴人を含む医師個人の責任を追及したりその名誉を毀損することにはなかったことを理解する。
3.控訴人ら及び被控訴人は、本件訴訟が和解によって解決したという事実並びに本和解条項第1項及び第2項の内容を除き、本件訴訟の経緯並びに本件訴訟において提出された準備書面等及び証拠(但し、公刊物を除く。)を秘密として保持し、正当な理由なくこれを第三者に開示又は漏洩しない。
4控訴人ら及び被控訴人は、控訴人らと被控訴人との間には、本和解条項に定める内容を除き、一切債権債務がないことを相互に確認する。
5訴訟費用及び和解費用は、第一審、控訴審とも各自の負担とする。」
一審勝訴している私が、このような馬鹿げた和解案を受け入れるはずがありません。「本件訴訟の経緯並びに本件訴訟において提出された準備書面等及び証拠(但し、公刊物を除く。)を秘密として保持し、正当な理由なくこれを第三者に開示又は漏洩しない。」なんて和解案聞いたことがないでしょう。
これは、被告らが、そうとうめちゃくちゃな「準備書面」や「証拠=陳述書」を出してしまったことが公開されるのが恥になるからでしょう。
勝訴したからには当然こちらは、公開する権利があります。
また、裁判官もあきれて、修正しました。
裁判所和解案
「1.控訴人らは、本件書籍において、本件事故の原因として後の確定した刑事事件の無罪判決が認定した事実と異なる記述が存在すること及び被控訴人が無罪を主張していた事実について言及がないことを認め、これにより被控訴人が不快の念を抱き、迷惑損害を受けたことについて遺憾の意を表明する。また、控訴人らは、被控訴人の刑事裁判における被控訴人の主張に関する取材等が不十分だったという被控訴人の見解を真摯に受け入れ、今後の取材・編集活動に生かすべく努める。
金銭支払い項目:和解金100万円
2.被控訴人は、本件書籍執筆及び発行の目的は、医療事故における組織的・制度的な問題の究明であり、被控訴人を含む医師個人の責任を追及したりその名誉を毀損することにはなかったことを理解する。
3.控訴人ら及び被控訴人は、本件訴訟が和解によって解決したという事実並びに本和解条項第1項及び第2項の内容を除き、秘密として保持し、正当な理由なく、これを第三者に開示又は漏洩しない。
4.控訴人ら及び被控訴人は、控訴人らと被控訴人との間には、本和解条項に定める内容を除き、一切債権債務がないことを相互に確認する。
5訴訟費用及び和解費用は、第一審、控訴審とも各自の負担とする。」
私は、
原告和解案
「1.控訴人らは、本件書籍において、被控訴人が2003年8月までに主張していた事実、すなわち本件事故の原因として確定した刑事事件の無罪判決が認定した事実と異なる記述が存在すること、及び、専門家に対する取材が不十分であったことを認め、これにより被控訴人が不快の念を抱き、迷惑損害を受けたことについて真摯に反省し謝罪する。また、控訴人らは、被控訴人の刑事裁判における被控訴人の主張に関する取材を初めとした刑事裁判の取材が不十分だったことを真摯に受け入れるとともに、本件訴訟で主張した準備書面と陳述書の全てを撤回し、さらに今後の取材・編集活動に生かすべく努め、平成21年6月20日までに和解金600万円と2003年12月23日から完済に至るまで年5分の割合による金員および第一審、控訴審ともに全ての訴訟費用を被控訴人に支払う。
2.控訴人ら及び被控訴人は、控訴人らと被控訴人との間には、本和解条項に定める内容を除き、一切債権債務がないことを相互に確認する。」
という対案をだしましたが、双方の乖離が大きいため判決となりました。
この時点で相手側は、敗訴を容認したと思われます。
そして何より、被告側が敗訴を予測していたことの表れは、弁論期日も、和解期日も弁護士2人、被告記者2人、毎日新聞社法務関係者、集英社関係者など毎回6-8人訴訟にかかわっていたのが、控訴審判決では法廷に現れませんでした。被告側席0人、原告側席1人。傍聴者席20人近くという状況で判決を聞きました。
勝訴さえすれば、苦労のしがいがあったというものです。
毎日記者には、この書籍で得た収入を返上してもらいたいですね。
せっかく和解案の原本をブログに掲載したのですが、↓の方にしか提示できないようです。ずっと下にいって、クリックして原本を読んでください。
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コメント
勝訴おめでとうございます。変態毎日新聞に鉄槌を食らわせた先生に心より敬意を表します。
投稿: | 2010年2月18日 (木) 23時09分